異方的超伝導体中の準粒子は、ランダムなポテンシャル(不純物)による散乱を受けることにより、空間的に局在した状態になると考えられる。このアンダーソン局在の問題を幅が有限で無限に長い準一次元素に対して理論的に研究した。系を記述するハミルトニアンが時間反転対称性を持つか否か、そしてスピン空間でのSU(2)対称性が有るか否かによって、超伝導体中の準粒子のアンダーソン局在は4種類のユニバーサリティークラスに分類される。これらのユニバーサリティークラスはフェルミ面近傍の低エネルギー準粒子のみについて適用される。それぞれのユニバーサリティークラスに対して、対応する対称空間のルート系の構造からある関数(ヤコビアン)が決まり、このヤコビアンを用いて準粒子の運動を記述する転送行列の固有値を支配するフォッカー・プランク方程式が導かれる。このフォッカー・プランク方程式を変形することにより、準粒子のエネルギー状態密度をヤコビアンによって表現する一般的な理論式を得た。低エネルギー極限での漸近形は、ランダム行列理論の予言と一致することを示した。 磁場中のハイゼンベルグ梯子格子模型について、ギャップレス領域でのスピン・スピン相関関数を密度行列にくりこみ群法によって数値的に求め、ボゾン化法による結果と比較し、よい一致をみた。 一次元の拡張ハバード模型の基底状態の相図を、ハーフフィールドの場合について決定した。用いた手法は摂動的くりこみ群とボゾン化法であり、自発的にボンド交替秩序をもったパイエルス絶縁状態が弱結合領域に存在することを解析的に示した。
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