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2002 年度 実績報告書

低次元量子多体系における相関効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12046244
研究機関大阪大学

研究代表者

川上 則雄  大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10169683)

キーワード電子相関 / 低次元 / フラストレーション / 遷移金属酸化物 / 軌道効果
研究概要

本研究の目的は、遷移金属酸化物の中で特に低次元相関電子系に焦点をあてて、量子相転移現象の系統的な研究を行うことである。本年度は以下のテーマに関して研究を行った。
(1)一次元モット絶縁体へのホールドープ効果:一次元の遷移金属酸化物に関して、これまで主に絶縁相に関する理論が展開されてきた。ここでは絶縁相へのホールドープ効果を扱い、電荷自由度とスピンフラストレーションの関わりあいによって絶縁相付近で超伝導相関が発達することを密度行列繰り込み群を用いて明かにした。
(2)強相関電子系における軌道縮退効果:遷移金属酸化物では軌道縮退効果と電子相関効果があいまって多彩な物性が観測される。絶縁体に近い金属相における相関電子系の動力学的な性質を理解するため動的平均場近似に数値厳密対角化法とモンテカルロ法を組み合わせて光電子放出スペクトルや光学伝導度を計算し、準粒子の安定性について明らかにした。
(3)強相関電子系におけるフラストレーション効果:二次元スピンギャップ系ではフラストレーション効果が重要となっている。これまでのスピン系の取り扱いを電子系に拡張した。特に、三角格子とかごめ格子の金属相におけるフラストレーションと電子相関の関わり合いを動的平均場と揺らぎ交換近似を用いて調べた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Akira Kawaguchi: "Magnetization process for a quasi-1D S=1 antiferromagnet"Phys. Rev.. B65. 214405-1-214405-5 (2002)

  • [文献書誌] Yoshiki Imai: "Spectral functions in itinerant electron systems with geometrical frustration"Phys. Rev.. B65. 233103-1-233103-4 (2002)

  • [文献書誌] Akihisa Koga: "Frustration-Induced Phase Transitions in the Spin-S Orthogonal Dimer Chain"Phys. Rev.. B65. 214415-1-214415-5 (2002)

  • [文献書誌] Satoshi Miyashita: "Dynamical Properties of One-Dimensional Multicomponent Quantum Liquids in Metallic Phase"J. Phys. Soc. Jpn.. 71. 1947-1955 (2002)

  • [文献書誌] Akihisa Koga: "Stability of a Metallic State in the Two-Orbital Hubbard Model"Phys. Rev.. B65. 165107-1-165107-6 (2002)

  • [文献書誌] Akira Kawaguchi: "Orbital Order in a Quasi-One-Dimensional Spin-Orbital Model"J. Phys. Soc. Jpn.. 71. 3096-3097 (2002)

  • [文献書誌] 川上則雄: "一次元電子系の数理"岩波書店. 68 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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