研究課題/領域番号 |
12047205
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶田 隆章 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (40185773)
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研究分担者 |
伊藤 好孝 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (50272521)
金行 健治 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (30224629)
渡邊 靖志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40126199)
塩澤 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (70272523)
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キーワード | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 大気ニュートリノ |
研究概要 |
スーパーカミオカンデにおける地球の反対側から飛来する大気ミューニュートリノの数が上から飛来するものの約半分であるという観測により既に、ニュートリノ振動、すなわちニュートリノの質量についての証拠が得られていた。しかしながら、ニュートリノ振動以外にこのデータを説明する新しいモデルが提案され、実験的に本当にニュートリノ振動であるということを示すことが急務となっていた。そこで、大気ニュートリノの解析を工夫して、ニュートリノ振動によって、ミューニュートリノ成分が一度半分以下に減り、またミューニュートリノ成分が現れてくるという「振動」の効果を明確に観測し、観測されているミューニュートリノの欠損がニュートリノ振動による量子的干渉効果であることを示すと共に、大気ニュートリノ現象を説明する様々な別理論を検定した。結果はまさにニュートリノ振動の予言通りとなっており、このデータを持って真にニュートリノ振動が確定したと言える。またこの解析によって、今まで以上に精度良く2種類のニュートリノの質量の2乗の差を決定できた。値は、90%の信頼度でニュートリノの質量の2乗の差が1.9×10^<-3>eV^2から3.0×10^<-3>eV^2であった。この結果は既に国際会議等で報告され、大きな関心を呼んでいる。 それと共に、今まで通りの天頂角分布を用いる方法で、ニュートリノ間の混合角を精密に決定した。その結果、混合角(θ)は最大の45度と矛盾なく、90%の信頼度でsin^22θ>0.92を得た。 現在、ミューニュートリノが振動した結果現れるタウニュートリノ事象をスーパーカミオカンデのデータ中に探す解析の最終段階である。また、未発見の電子ニュートリノとタウニュートリノ間のニュートリノ振動の効果による、ミューニュートリノと電子ニュートリノ間のニュートリノ振動の効果の検定も最終段階である。 なお、本研究費補助金により設置したFADCシステムはうまく稼働しており、今後も新たにFADCを用いて得られたデータを解析して、ニュートリノ振動の解析の改良をおこなっていきたい。
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