研究課題/領域番号 |
12047227
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
吉田 哲也 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50222394)
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研究分担者 |
三井 清美 山梨学院大学, 経営情報学部, 教授 (80013340)
笠原 克昌 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (00013425)
槇田 康博 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (30199658)
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キーワード | BESS / 宇宙船μ粒子スペクトル / 高度依存性 / 大気シャワーモデル / 大気ニュートリノ振動 / 飛跡検出器 |
研究概要 |
BESS超伝導スペクトロメータを用いた宇宙粒子線観測気球実験によって、地表から高空に至る間の宇宙線μ粒子スペクトルの高度依存性と気球浮遊高度での宇宙線μ粒子スペクトルの精密測定を通じて、大気ニュートリノ振動現象の詳細解明に不可欠な大気シャワーモデルの検証を進めた。 今年度の気球観測実験では、昨年度に開発・製作を進めた最外殻飛跡検出器(ODC)をBESS測定器に組み込み、BESS測定器の運動量分解能の向上を図った。さらに測定器の温度、圧力に依存する飛跡検出器の較正パラメータを正確に求めるために、シンチレーションファイバ検出器を開発し、ODCと同時にBESS測定器にインストールした。 9月に行われた気球実験では、第1回目の実験での気球破裂や再実験での気球トラブルによる実験時間の短縮・浮遊高度の低下など様々なトラブルに見舞われた。しかしながら地表から高度37kmまでの宇宙線μ粒子スペクトルの高度依存性の観測についてはほぼ予定通りのデータを収集でき、現在解析を進めている。 BESS測定器の運動量分解能向上のために搭載されたODCとシンチレーションファイバに関しても、ほぼ期待された性能を有することが実際の気球実験で実証でき、今回の気球実験で判明した問題点については次年度の実験に備えて改良を進めている。 これらの成果は「国際宇宙線会議(ICRC2001)」や「ニュートリノ振動とその起源ワークショップ(NOON2001)」などで報告された。
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