研究課題/領域番号 |
12050239
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
本田 学 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (40321608)
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研究分担者 |
加藤 比呂子 NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 知能情報研究部, 研究主任
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キーワード | 機能連関 / 皮質脳波 / 多変量自己相関モデル / 一次運動野 / 補足運動野 / 双方向性線維連絡 |
研究概要 |
本研究では多変量時系列解析の一種である多次元自己相関モデルを脳波・脳磁図などの多チャンネル時系列に適用することにより、双方向性の神経線維連絡が存在しする脳領域間の機能的な関連性の強さ(機能連関)を客観的かつ適切に評価する方法を開発することを目的とする。今年度は第一段階として、双方向性神経線維連絡をもち生理的情報の流れが明瞭な2つの運動関連皮質から直接記録された脳波を対象として、多変量自己回帰モデルをもちいたフィードバックシステム解析を行ない、生体データ解析に適合性の高い解析法の確立を試みた。てんかんの外科的治療を目的として留置された硬膜下電極をもちいて、右前腕筋の等尺持続収縮中の大脳皮質脳波を運動対側の左一次運動野および左補足運動野より皮質脳波を記録した。高頻度電気刺激により右前腕に運動反応を誘発する記録電極それぞれ1ヵ所ずつより記録された皮質脳波を解析にもちいた。この手法により記録された皮質脳波は、頭皮上から記録される脳波に比較して、電極直下の神経活動をより直接的に反映すると考えられる。まず定常性を前提としたユールウォーカー法により多変量自己回帰係数をもとめ、それに基づいて領域間のインパルス応答関数、相対パワー寄与率、ならびにパワー寄与の非対称性インデックスを算出した。その結果、一次運動野と補足運動野の間には、相互フィードバック関係が存在し、補足運動野が一次運動野に及ぼす影響は、逆方向の影響に比べて有意に大きいことが明かとなり、既知の生理学的知見と矛盾しない結果を得た。これらの研究成果は、平成12年9月の第23回日本神経科学大会において発表し、現在論文投稿準備中である。次年度は、複雑運動および視覚運動制御にともなう皮質脳波および頭皮上脳波の解析法を開発する予定である。
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