研究課題/領域番号 |
12050243
|
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
岸川 正大 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部・部長(副所長兼任) (80112374)
|
研究分担者 |
島田 厚良 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 室長 (50311444)
若松 延昭 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 部長 (60274198)
加藤 兼房 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 部長(所長兼任) (50022801)
|
キーワード | ブレインバンク / 組織保存機構 / 心身障害 / アレキサンダー病 / αBクリスタリン / 巨大結腸症 / 脂質メディエイター / SAMP10 |
研究概要 |
本年度は「ブレインバンクの樹立」に主眼を置き、併せて「脳の高次機能障害の病態解明に関する基礎研究」として病理学的、生化学的、分子生物学的な実験(動物実験も含む)もおこなった。 1.ブレインバンクの樹立:「脳および組織保存機構」として愛知県の新規研究事業として承認を受け、脳および他の臓器、外来患者血液からのDNA抽出と保存をおこなった。前者はフリーザーに、後者は冷蔵庫に保存。平成13年2月1日現在での保存実数は96症例(臓器24例、DNA抽出72例)である。 2.脳の高次機能障害の病態解明に関する基礎研究:蓄積された試料数がまだ多くなく、また、遺伝子解析に関する国の倫理指針が正式には発効していない段階にあっては、本バンクの試料を使用することは時期尚早と判断し、一部を動物実験による基礎実験とした。 (1)加齢変化がある脳やアレキサンダー病(乳児型、若年型)の大脳皮質にはαBクリスタリン、Hsp27が脳の不溶分画に多量に検出された。αBクリスタリンはSer-59のリン酸化されたものであることが判明した。 (2)知的障害を伴った巨大結腸症の症例に関して分子生物学的検索をおこない、第2番染色体上の遺伝子異常を見いだした。この結果から今後、脳の高次機能に関連する遺伝子探索のひとつの方向性が得られた。 (3)障害児脳の加齢性変化に関連して、脳の退行性変化に炎症関連反応が関与している可能性を探るために、脂質メディエーター合成酵素に対する免疫組織学的検索をおこなった。マウス(SAMP10)による予備実験にて、水解酵素がニューロンに発現しており、退行変性が顕著な加齢の目立ったマウスに増加しでいることを確認した。
|