研究課題/領域番号 |
12052210
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
露無 慎二 静岡大学, 農学部, 教授 (30090541)
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研究分担者 |
蔡 晃植 奈良先端技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00263442)
田村 勝徳 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (90291335)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2005
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キーワード | フラジェリン / フラジリン認識たんぱく / Acidovorax avenae / そ菜類軟腐病菌 / PhoP-PhoQ二成分制御 / 植物体内微環境 / テロメレース / Bax阻害剤 |
研究概要 |
そ菜類軟腐病菌の主要発病因子であるペクチン酸リアーゼの生産制御について、PhoP-PhoQ二分子間制御システムが機能し、植物体内環境と考えられる低pH、低濃度の糖類、低濃度のマグネシウムイオン、有機酸等がシグナルとして認識されて制御されている事を明らかにした。また、本発病因子の他に、鞭毛による運動能力が発病に重要な役割を果たす事をフラジェリン欠損及びモーター遺伝子欠損変異株の解析より明らかにした。また、Xanthomonas属細菌のavrBS3/pthA遺伝子ファミリーは、ハーピンなどの非宿主内一般的抵抗性反応を抑制する機能も持つことを発見した。 イネによる病原菌Acidovorax avenae認識には、免疫システムの誘導が必須であり、フラジェリン認識によって誘導されること、タイプIII分泌機構に依存した制御が存在することを見いだした。また、イネの過敏感反応細胞死を誘導する新規転写調節因子を発見した。次に、フラジェリンの様々なドメインを大腸菌で発現させ免疫誘導活性を測定したところ、イネはフラジェリンのC末端側を認識することを明らかにした。イネのフラジェリン認識に関わるタンパク質を探索した結果、FIP50と名付けた機能未知のタンパク質の同定に成功した。 根頭がんしゅ病組織におけるテロメラーゼの発現を司るAtBBF1及びAtBBF2を同定し、これがプロモーターに結合することを確認した。テロメラーゼ阻害剤テロメスタチンが植物のテロメラーゼ阻害にも有効であることを確認した後、本阻害剤処理によりHRと平行して現れる細胞死が誘導されることを見いだした。さらに、アポトーシス関連遺伝子(AtBI-1)が病原細菌によるHR細胞死の誘導において抑制的な役割をもつことを明らかにした。次に、植物における細胞死の制御因子であるシロイヌナズナのBax inhibitorおよびイネのHC毒素還元酵素が、各々HR細胞死の抑制および褐条病菌に対する抵抗性に関与することなどを明らかにした。
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