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2000 年度 実績報告書

感染初期のシグナル認識と宿主決定機構の細胞学的・分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 12052214
研究種目

特定領域研究(A)

研究機関三重大学

研究代表者

久能 均  三重大学, 生物資源学部, 教授 (20024573)

研究分担者 蔡 晃植  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (00263442)
キーワードBlumeria graminis / Extracellular Matirix / Pseudomonas avenae / フラジェリン認識 / フラジェリン分子 / 抵抗性誘導機構
研究概要

宿主上に付着した病原糸状菌胞子と宿主細胞との相互認識のメカニズムを解析する第一歩として、ムギ類うどんこ病菌(Blumeria graminis)分生子を素材にシグナル物質の解析を行った。本菌分生子と疎水性基質との接触面に液状物質(Extracellular Matirix:ECM)が出現する。胞子はECMによって疎水性基質に付着し、ECM出現領域から発芽することによって発芽管を基質表面に確実に伸長させる機構をもつことを明らかにした。また、ECM中のエステラーゼが宿主表面の物質を分解すること、胞子へのこの分解産物の取り込みが発芽の促進要因となることを示した。また、ECM中にキシラナーゼが含まれることも明らかにした。宿主への胞子付着は感染の第一歩であり、ECM出現が本菌の感染効率を高める手段になっていることを示すとともに、ECM中の各種細胞壁分解酵素の作用によって分解される宿主細胞壁由来の低分子物質が宿主細胞の代謝変動を誘導する可能性を示した。一方、植物病原細菌Pseudomonas avenaeに存在するフラジェリンの認識とこの認識の情報伝達経路についてフラジェリン欠損株を作成し解析を行った。その結果、イネ培養細胞における細胞死やDNAのラダー化、EL2遺伝子の発現にはフラジェリン分子が関与するが、PALやCht-1遺伝子の発現には別の因子が関与していることが明らかになった。別の因子を探索するため、本菌に存在するHrp遺伝子群(約30kbp)の配列を明らかにした。また、非親和性菌株によって誘導されるイネ培養細胞の抵抗性誘導機構を解析するため、親和性菌株と非親和性菌株をそれぞれ接種したイネ培養細胞から調製したmRNAを用いて蛍光ディファレンシャルディスプレーを行い、両者において異なる誘導パターンを示すいくつかの遺伝子の同定に成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nielsen,K.A. 他4名: "First touch : an immediate response to surface recognition in conidia ofBlumeria graminis."Physiological and Molecular Plant Pathology. 56. 63-70 (2000)

  • [文献書誌] Wright,A.J. 他5名: "The rapid and accurate determination of germ tube emergence site by Blumeria graminis conidia."Physiological and Molecular Plant Pathology. 57. 281-301 (2000)

  • [文献書誌] Meguro,A. 他4名: "Release of the extracellular matrix from conidia of Blumeria graminis and germination."Mycoscience. 42(2)(印刷中). (2001)

  • [文献書誌] Fang-Sik Che: "Flagellin from an incompatible strain of Pseudomonas avenae induces a resistance response in cultured rice cells."Journal of Biological Chemistry.. 275. 32347-32356 (2001)

  • [文献書誌] Kunoh,H.: "Delivery and Perception of Pathogen Signals in Plants"APS Press. 268 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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