研究課題
(1)病原菌胞子(ウリ炭疽病菌)の発芽を誘導する植物因子が、オクタデカン酸誘導体であることを突止めた。(2)AtMT法で得られた病原菌の変異株から変異遺伝子をクローニングし、機能解析した結果、植物の防御応答に関連するオスモチン様タンパク質への耐性に関与するタンパク質であることを証明した。さらにイネいもち病菌のオルソログ遺伝子のノックアウト変異株を作出した結果、それらはイネに対する病原性を欠うことから、病原性に重要な働きをしていることを示した。(3)シロイヌナズナエコタイプIn-0はアブラナ科野菜類炭そ病菌337-5株に対して抵抗性を示す。Col-0との交雑および分子マーカーを用いた遺伝子座検定の結果、In-0の抵抗性は優性の1遺伝子によって支配され、第4染色体に座上することを明らかにするとともに、表現型に密接に連鎖する分子マーカーの作出に成功した。(4)病原菌分生子が宿主細胞に接触するとECMを分泌するが、ECM中にはエステラーゼが存在することを免疫電顕および細胞化学的手法で空間的時間的に解析した。さらに、非病原性うどんこ病菌のECMを認識すると1時間以内に拒否性が誘導されることを細胞学的に実証した。このように両者の表層でおこる物質交換が後の相互作用の引金になると結論した。(5)植物細胞壁における情報伝達系と防御システムを解析し、細胞壁NTPaseが病原菌シグナル分子の1受容体であることを明らかにした。非宿主植物ササゲの組換えNTPaseを作成して、エンドウ病原菌のサプレッサーに対する応答性を調査した結果、宿主NTPaseとは逆に、活性化されることを突止めた。活性化を受けたNTPaseから生じる無機リン酸によって防御関連遺伝子応答が誘導されることを明らかにしたが、エンドウNTPase過剰発現タバコでは病害抵抗性が増高し、NTPaseをサイレンシングしたタバコでは抵抗性が低下することを示した。
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