研究課題/領域番号 |
12053209
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
白尾 智明 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20171043)
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研究分担者 |
関野 祐子 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70138866)
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キーワード | ドレブリン / アクチン / スパイン形成 / PSD-95 / フィロポデイア / 細胞骨格 / シナプス形成 |
研究概要 |
スパイン形成過程においては、(1)フィロポディアが直接スパインに変化するという説と(2)樹状突起シャフト上に形成されたシナプス後部から変化するという説がある。我々は、アクチン線維やドレブリンに着目して、免疫染色やタイムラプスイメージングを用いて、培養海馬神経細胞を解析し、これらの細胞においては、フィロポディアからスパインが直接形成されることを明らかにした。 シナプス形成は軸索と樹状突起の接触を契機として誘導されると考えられている。シナプス前部の変化は接触直後から既に観察されていたが、シナプス後部においては、接触後1時間ほどしてから起こるPSD関連蛋白の集積が観察されているにすぎず、接触直後に何が起きているのかは不明であった。我々は培養海馬神経細胞の免疫組織化学および生体脳の免疫電顕により、軸索と樹状突起(フィロポディア)の接触直後におこる、神経特異的アクチン結合蛋白ドレブリンAの膜直下集積像とアクチン細胞骨格系の再編成像を観察することに成功した。 次に、このスパイン形成過程におけるアクチン細胞骨格系とシナプス後部肥厚(PSD)の関連を解析した。培養神経細胞でのドレブリンAの発現を阻害すると、接触部におけるアクチン細胞骨格の再編成が起こらなくなり、PSD-95の集積も抑制されることがわかった。また、このPSD-95の集積はドレブリンAの局所的集積により促進されることもわかった。従来の研究によれば、成熟後のスパインにおいては、PSD-95の集積には、アクチン細胞骨格系に非依存的であることが示されている。今回の研究結果を考え合わせると、発達過程の海馬神経細胞においては、PSD-95の集積は先行するアクチン細胞骨格の再編成に依存的であるが、一度シナプス後部への集積が完遂するとアクチン非依存性になることが示された
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