研究概要 |
1)Rap1結合タンパク質として単離されたRGL3の特異抗体を作成し、機能解析を進めた。また、Rap1の活性化因子(GEF)の一つであるC3Gに対して強い親和性を示すdominant negative Rap1変異体を見出し、C3Gの担うRap1シグナルの槍能解析を進めた。 2)パーキンソン病等で見られる細胞内封入体Lewy body(LB)においてH5/Sept4が選択的に蓄積していることを見出した。さらに、LBへの局在が既に知られているα-synucleinおよびsynphilin-1と共に培養細胞内でH5/Sept4を発現させると、LB様の封入体が出現し、細胞死が誘導されることを見出した(Ihara et al., in press)。また、セプチン・ファミリーの統一的命名法を共同提案した(Macara et al.,2002)。 3)GFP-RECK融合遺伝子を作成し、細胞内での挙動をtime-lapse confocal microscopeにて観察し、その細胞レベルでの機能に洞察を加えようとしている。 4)Rap1およびH-Rasを発現するシンドビス・ウイルス作成し、ラット海馬スライスおよび神経芽腫細胞における作用を、パッチクランプ法によって解析した。その結果、グルタミン酸受容体およびNaチャネルの活性制御にこれらの低分子量Gタンパク質が関与する可能性が示唆された(今村ら、投稿準備中)。 5)脳神経系の機能維持、ホメオスタシス、再生等にとって重要な機能を果すと考えられる脈絡叢(choroid plexus)に特異的に発現している遺伝子をsuppression subtractive hybridization法を用いてスクリーニングした(Matumoto et al.,2003)。
|