研究課題/領域番号 |
12053259
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
北澤 宏理 自治医科大学, 医学部, 助手 (10296098)
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研究分担者 |
永雄 総一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40164397)
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キーワード | 前庭動眼反射 / 視機性眼球反応 / 代謝型グルタミン酸受容体 / 小脳片葉 / 運動学習 / プロテインキナーゼ / 長期抑圧 / 一酸化窒素 |
研究概要 |
小脳のシナプス伝達可塑性や神経回路形成に異常が認められる3種類の遺伝子操作マウス(神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS)欠損マウス、代謝型グルタミン酸受容体1型(mGluR1)欠損マウス、C-キナーゼγサブユニット(PKC-γ)欠損マウス)を用いて、前庭動眼反射(VOR)や視機性眼球反応(OKR)の動特性と適応の評価を行った。nNOS欠損マウスとmGluR1欠損マウスでは、眼球反射の動特性は野生型マウスと差はなかったが、適応は消失しており、スライス標本における長期抑圧の消失の報告に対応すると解釈された。PKC-γ欠損マウスでは、眼球反射の動特性に異常が見られるとともに、反射の適応が減弱していた。PKC-γ欠損マウスでは長期抑圧は正常との報告があり、眼球反射の適応の異常の原因として、小脳以外の脳部位の異常も考えられ、現在生理学的及び解剖学的に検討中である。 小脳が運動記憶の保持の場であることを検証するために、サルの小脳片葉をシャットダウンした時に眼球反射の適応が影響されるか調べた。前庭動眼反射の適応のパラダイムを用いて利得に適応を生じさせた直後、両側片葉に10%塩酸リドカインを局所注入し活動をシャットダウンしたが、1例目のサルでは、シャットダウンしない場合に比べ利得の低下が速やかにおこることが観察された。現在さらに例を追加し同じ現象が観察されるかどうか検討中である。
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