研究課題/領域番号 |
12053268
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
山森 哲雄 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80260206)
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研究分担者 |
渡我部 昭哉 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40290910)
小峰 由里子 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90280586)
木津川 尚史 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (10311193)
矢野 良治 理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (30210313)
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キーワード | 遺伝子発現 / c-Fos / 興奮性神経細胞 / 大脳皮質領野 |
研究概要 |
1.櫻井芳雄京大教授との共同研究による視聴覚弁別課題学習下で、c-Fos遺伝子の発現が課題依存的であることは昨年度までに明らかにしたが、本年度は、この遺伝子発現が対応する大脳皮質領野の興奮性細胞に特異的であることを明らかにした(坂田等、Eur.J.Neurosci.印刷中)。 2.運動学習下での遺伝子発現を用いた脳内情報処理過程を解析し、当研究室で木津川等が独自に開発したWheel Running装置下でマウスを走行させた場合、線状体に一過的にc-Fosの発現が誘導される事を見い出した。(木津川等、投稿準備中)。 3.ヒト大脳皮質3領野(視覚野、運動野、前頭葉)に発現する1088遺伝子をマクロアレイ法を用いて調べたところ、その99.8%はその差が2倍以内であった(那波新潟大教授との共同研究)が、大脳皮質の特に発達した霊長類の領野特異的に発現する遺伝子の分離と同定を試み、視覚野特異的遺伝子(occ1)と運動野特異的遺伝子(GDF7)について報告した。2次感覚野に特異的に発現する遺伝子の解析を行い投稿準備中であるが、現在まで更に、成熟サルの各領野間で3倍以上の差を有する遺伝子の6〜7割程度を同定している(現在までに少なくとも10遺伝子、2〜3倍のものは更に10遺伝子程度)。 4.CNTFは、IL-6ファミリーの中でも、神経系に固有の働きを有するものとして知られているが、これまでその発生期における役割は不明であった。我々はげっ歯類の胚発生期において、松果体と眼のレンズ上皮において特異的にCNTFの発現がみられる事を発見した(畑等、NeuroReport印刷中)。
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