研究課題/領域番号 |
12123101
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
鴇田 忠彦 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90083328)
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研究分担者 |
田近 栄治 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10179723)
小椋 正立 法政大学, 経済学部, 教授 (90152446)
南部 鶴彦 学習院大学, 経済学部, 教授 (00061416)
知野 哲朗 立命館大学, 経済学部, 教授 (40171938)
尾形 裕也 国立社会保障, 人口問題研, 研究部長
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キーワード | 国民健康保険 / レセプト・データ / レセプト病名 / 医療費の地域差 / 医療費の医療機関差 / 高医療費の地域 / 低医療費の地域 / 疾病ごとの医療費 |
研究概要 |
本年度は、研究代表者および研究協力者のそれぞれにおいて、僅か半年の期間であったために、本格的な研究の準備段階と位置付けざるを得なかった。しかしながらすでにいくつかの研究はすでに端緒につき、暫定的ながら下記のように一定の結果を得ている。 代表者の鴇田・研究協力者の知野のグループでは、国民健康保険のレセプト・データを解析することによって、一定の知見を得ている。すなわち胃がん、腎不全および精神分裂病のレセプト病名と真の病名がほぼ一致する3種類の疾病について、北海道、千葉、長野および福岡の4道県について、それぞれの地域的な医療費の差異がマクロ的な差異と同様に無視できないことを、まず明らかにした。次いでそれぞれの道県内でも、3疾病についてレセプト件数が上位10位までの医療機関について、入院と外来の医療費を計算した。その結果は、北海道や福岡などの高医療費の地域でも、医療費の高い医療機関と低い医療機関では50%近い差異が存在することが知られた。このような医療機関ごとの特定の疾病についての系統的な知見は、おそらく他に例のないことと思われる。この班では、このような記述統計の結果はすでにdiscussion paperとしてまとめた。今後この知見に基づいて、経済分析を試みる計画である。 他の研究分担者について以下のように簡単にふれよう。南部班では、薬価について製薬の卸売りデータの解析によって、これまで明らかにされていなかった現実の取引の実態を明らかにしようと試みている。また小椋班では、高齢者医療制度をデザインして、実際にそのシュミレーションを行って、政策効果を判定しようと試みている。尾形班では、政治的に困難な先進各国の医療改革の実態を明らかにすることを試みている。
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