研究課題/領域番号 |
12123101
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
田近 栄治 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10179723)
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研究分担者 |
知野 哲朗 岡山大学, 経済学部, 教授 (40171938)
小椋 正立 法政大学, 経済学部, 教授 (90152446)
南部 鶴彦 学習院大学, 経済学部, 教授 (00061416)
佐藤 主光 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (50313458)
黒川 清 東海大学, 医学部, 教授 (30167390)
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キーワード | レセプト・データ / 国民健康保険 / 組合健康保険 / 介護保険 / 混合診療 / 喫煙 / 医療改革 / 薬価差益 |
研究概要 |
平成15年度は、本プロジェクトの4年目にあたり、これまでの研究の中間レヴューを経て、プロジェクト締結へ向けて成果を形にする年でもあった。総括的にはこれまでの研究の懐妊期間が終了して、中間の収穫期を迎えたといえるだろう。 まず鴇田・知野・中泉班でのそのような成果は、4月、および10月の本プロジェクト主催のPIE(Project on International Equity)の全体会議において、複数の報告を行った。 また本年度には、昨年度までの4本の学術論文の雑誌掲載に加え、保健・医療・福祉におけるシステム再構築へ向けた学際的図書の出版(来年度出版予定)に向けた準備、さらに新たな研究のディスカッション・ペーパーも10本を数えるに至った。後者の研究について簡単に紹介すれば、従来のレセプト・データを使用して制度改革の効果を分析するもの、生涯医療費の推計、老人病院を開設者別に分類してどのような特徴があるか明らかにするもの、さらに理論的に保険者と医療機関の間での定額制と出来高払いの診療報酬の最適な組み合わせの契約を問うもの、さらに最近話題の混合診療についてその公平性と効率性の検討の試みなど、多様である。 田近・佐藤班では、国民健康保険の財政問題と介護保険導入後の効果について、継続的に研究を行いその成果を公表介護保険が国保と同様の財政的な危機の道を辿ることを警告している。小椋班では、これまでの2年間の喫煙についての包括的なアンケート調査によって、従来にない新たな知見、例えば喫煙慣習には両親の喫煙が大きく影響しているなど、を得ている。南部班では、従来の薬価についての代表的な卸のデータによる薬価差益と病院の医薬品選択の研究とともに、在宅介護サービスの品質についてケーススタディを試みている。
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