研究課題/領域番号 |
12123102
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
斎藤 修 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40051867)
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研究分担者 |
北村 行伸 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70313442)
依光 正哲 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (80017631)
樋口 美雄 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (20119001)
麻生 良文 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (70212511)
小川 浩 関東学園大学, 経済学部, 助教授 (00245135)
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キーワード | 少子化 / 子育て費用 / ネットワーク効果 / 保育サービス / 外国人労働 / 高齢者雇用 / 若年雇用 / 出生率 |
研究概要 |
本年度における主要な研究成果は次のとおりである。 1.子供の養育費用が増大すると、総じて子供の数は減少することが実証的に明らかになった。子供の養育費用を減少させるような政策が少子化対策として有効である。 2.子育て費用にはネットワーク効果がある。子供数が多いほど子供1人あたりの子育て費用は低い。少子化対策としてはネットワーク機能を向上させるような取組みが必要である。 3.保育における規制の緩和は日本では大幅に立ち遅れている。さらに保育においては官業による民業の圧迫も顕著であり、民間参入も進まず、競争原理が働かない。結果として待機児童を解消するだけの供給拡大も見込めず、問題は放置されている。 4.日本では異なる世代間で限られた就業機会を奪いあっており、若年者は相対的に不利な立場にある。 5.賃金制度を変更するさいには、20歳代に関するかぎり、あまり大きな賃金変動がないように年功的部分を残しておく方が少子化対策として整合的である。他方、40歳代や50歳代については年功成分を減らし、能力主義的な賃金とする方がむしろベターである。 6.国内労働者の限界教育訓練費用と外国人労働者の賃金(言語教育や社会的統合の費用を含む)の大小によって外国人労働の質と量が決まる。 7.日本の外国人労働は安価な労働力として必要なときに必要な量だけ使用される型が多い。いわば「外国人の労働者の使い捨て」だ。このような労務管理方式は長期的に日本の経済社会に「負の遺産」を残すだろう。
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