研究課題/領域番号 |
12123203
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
鈴村 興太郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (00017550)
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研究分担者 |
須賀 晃一 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (00171116)
長谷川 晃 北海道大学, 法学部, 教授 (90164813)
堀 元 東北大学, 経済学部, 教授 (90004209)
森村 進 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40134431)
蓼沼 宏一 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50227112)
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キーワード | 世代間衡平性 / 地球温暖化 / 費用負担原則 / 責任と補償 / 外部性 / 非厚生主義 / 非帰結主義 |
研究概要 |
地球温暖化問題は2つの意味でグローバルな外部性の問題である。第1に、温暖化ガスを排出する経済活動は現在世代のみならず産業革命期以来の全世代によって追求されてきたものであって、その責任世代の大部分は現在既に存在しない。また、温暖化の深刻な影響を受ける世代は数十年先の将来世代であって、その世代の大部分は現在は未だ存在しない。第2に、現在世代の中にも既に過去の産業化の恩恵を受けている国民と今後の経済発展に望みを託す国民とが共存して、地球温暖化問題を巡って彼らの利害は大きく対立している。経済学がこの二重の意味でグローバルな外部性問題と対処したことは、これまで全くなかったと言って過言ではない。このプロジェクトは経済学者、経済哲学者、法哲学者および倫理学者の共同研究によって、このグローバルな論脈における世代間衡平性と各国間の費用負担原則に関する本格的な貢献を意図してスタートした。研究計画の第1年度として、今年度は規範的経済学の非厚生主義的基礎に関する公理主義的な研究と、責任と補償に関する法哲学的な研究を主眼とする定期的な研究会を開催して、その成果を既に5本のDiscussion Paperとして広く討議の素材として提供した。また、この問題の理論的基礎に関係する経済学的研究において世界的に著名な研究者7名を招聘して、International Workshop on Intergenerational Equityを開催して今後の研究の軌道を定めるうえで貴重なステップを踏むことができた。次年度以降は今年度の基礎作業の上に一層精密な研究を進めることができると確信している。 なお、今年度に配付したDiscussion Paperのうちの2本は既に国際的研究雑誌への公刊が決定されていて、さらに2本が現在公刊のための審査プロセスの中にある。
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