研究課題/領域番号 |
12123205
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
寺西 重郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70017664)
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研究分担者 |
黒崎 卓 一橋大学, 経済研究所, 助教授 (90293159)
加納 悟 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50114971)
浅子 和美 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60134194)
柴田 章久 京都大学, 経済研究所, 助教授 (00216003)
二神 孝一 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30199400)
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キーワード | アジアの経済発展 / 所得分配 / 世代間分配 / 人口構成 / 社会的セーフティネット |
研究概要 |
理論的には財政赤字、知識資本、環境破壊・汚染や枯渇資源など現在経済成長にとって重要と考えられる要因の影響についてモデルを用い整理した。まず経済成長と財政赤字の関係では、1.複数の定常状態が存在し得ること、2.政府支出の増大は成長率に影響を及ぼすが、'パレート改善にはなり得ないことを示した。また知識資本の蓄積に関しては、戦略的相互作用を明示的に導入し、経済主体が採用する戦略によって、多様な成長パターンが考えられることを明らかにした。さらに、枯渇資源を考えた場合と環境破壊・汚染を考えた場合とでは経済の持続可能な発展経路、すなわち後世代に対し一方的に負担を強いるとのない世代間の分配状況は異なることを示した。次年度は、これらの理論的結論がはたして実証的に支持されうるかを見て行く。 実証分析におけるデータ収集および実態調査として、昨年に引き続きメンバーの一部が東欧を訪問した。また開発途上国の年金問題に取り組むための第一歩として、マレーシア大学の研究者を招き現状を把握するとともに意見交換を行った。その結果に基づき、次年度からはアジアにおけるデータ収集を開始する予定である。今後、研究テーマを絞って行く過程で同プロジェクト他班(高山研究代表者"年金を巡る世代間の利害調整に関する経済理論的・計量的研究")とも連携して研究を推進していく予定である。 プロジェクト内外の連携については・数回の小グループ集会に加え9月と2月に全体会議を開催し、研究発表を行うとともに、積極的に意見交換を行った。またプロジェクト全体集会に参加し、研究の成果の一部を発表した。
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