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2004 年度 実績報告書

金融財政政策の評価と将来の望ましい枠組み

研究課題

研究課題/領域番号 12124202
研究機関東京大学

研究代表者

林 文夫  東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (80159095)

研究分担者 BRAUN Richard A.  東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (90329334)
塩路 悦朗  横浜国立大学, 大学院・国際社会科学研究科, 助教授 (50301180)
宮川 努  学習院大学, 経済学部, 教授 (30272777)
キーワード構造的VAR / 全要素生産性 / 産業別の要素投入
研究概要

・ブラウンと塩路は,日本の景気循環における技術的ショックと労働時間に関する研究を本格的にスタートさせた。その最初の成果は構造的VARモデルを用いて技術的ショックをデータから識別し,それが生産量や労働時間に与える影響を推定する論文である。これはいくつかの大学の研究会で報告した上ですでに『経済研究』に公刊した。現在は,多くの研究で想定されているような単一の中立的な技術的ショックだけでなく,投資財生産部門にまず影響を与えるようなショックをも導入したモデルの可能性を追求する研究を行っている。この研究は,理論モデルのシミュレーション,構造的VARモデルによる実証研究の両面から行っている。
・宮川は,林とPrescottが発見した,1990年代のマクロレベルでのTFPの成長率の低下が産業レベルで観察されるのかを研究するため,上記産業別の要素投入のデータベースの1998年以降のアップデートを行った。2000年代までのアップデートは,来年度の初めになるが,1998年までのデータを使った生産性の分析を,数本の論文にまとめた(下記項目11を参照)。
・林は,新古典派モデルによる,戦前の日本経済停滞の分析をほぼ完成させた。来年度の早い時期に,学術雑誌に投稿する。
・前年度までと同様,ホリオカ・有賀班と共同でマクロ経済研究会を開催した。今年度は12月に行い,「日本経済の大停滞の原因」というテーマを設けて,主に本領域の研究分担者が研究成果を発表した。これらの研究は,日本経済学会の機関誌であるJapanese Economic Reviewの特別号として出版予定であるが,林・有賀・ホリオカが編集者を務める。
・6月に,「低インフレ下の金融政策」をテーマとして,国際コンファレンスを共催した。林が,そこで発表された金融政策についての論文に討論者を務めた。
・前年度までと同様,海外の有力研究者を招聘し,マクロ経済学,とくにTFPの分析について研究交流をはかった。今年度は,ハーバード大学のJorgenson教授,プリンストン大学のSims教授を招いた。
・以上の実績のうち,海外有力研究者による講義,研究会のプログラムと論文の内容は,総括班のホームページhttp://www2.e.u-tokyo.ac.jp/^-seido/から閲覧できる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 日本における技術的ショックと総労働時間-新しいVARアプローチによる分析-2004

    • 著者名/発表者名
      R.Anton Braun, 塩路悦朗
    • 雑誌名

      経済研究 55巻,4号

      ページ: 289-298

  • [雑誌論文] 過剰設備と長期停滞2004

    • 著者名/発表者名
      宮川努, 落合勝昭
    • 雑誌名

      フィナンシャル・レビュー 73巻,4号

      ページ: 5-26

  • [雑誌論文] The IT Revolution and Productivity Growth in Japan2004

    • 著者名/発表者名
      Tsutomu Miyagawa, Yukiko Ito, Nobuyuki Harada
    • 雑誌名

      Journal of the Japanese and International Economies Vol.18, No.2

      ページ: 362-389

  • [雑誌論文] 潜在成長力,GDPギャップと資本ストックの計測2004

    • 著者名/発表者名
      宮川努, 真木和彦
    • 雑誌名

      日本経済の構造変化と経済予測-経済変動のダイナミズムを読む-(福田慎一, 粕谷宗久編)(東京大学出版会)

      ページ: 187-228

  • [雑誌論文] 日本経済の長期停滞と供給サイド2004

    • 著者名/発表者名
      宮川努
    • 雑誌名

      論争 日本の経済危機:長期停滞の真因を解明する(浜田宏一, 堀内昭義 内閣府経済社会総合研究所編)(日本経済新聞社)

      ページ: 3-27

  • [雑誌論文] Sectral Productivity and Economic Growth in Japan, 1970-98 : An Empirical Analysis Based on the JIP Database2004

    • 著者名/発表者名
      Kyoji Fukao, Tomohiko Inui, Hiroki Kawai, Tsutomu Miyagawa
    • 雑誌名

      Growth and Productivity in East Asia : NBER-East Asia Seminar on Economics. Vol.13 (The University of Chicago Press)

      ページ: 177-227

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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