研究課題/領域番号 |
12124204
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 正寛 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40114988)
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研究分担者 |
柳川 範之 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80255588)
神谷 和也 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50201439)
岡崎 哲二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90183029)
清水 崇 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助手 (80323468)
松井 彰彦 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (30272165)
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キーワード | 制度 / 組織 / 貨幣 / 規制 / 歴史 / 規範 / 慣習 |
研究概要 |
本グループの研究プロジェクトは大きく、規範・慣習、貨幣、組織・規制の三つに分けられる。第一に、規範・慣習については、松井彰彦がGeorgetown大学のRoger Lagunoffと共同で、世代交代が起こる繰り返しゲームに関する研究を行っている。従来の世代交代のモデル(世代重複くり返しゲーム)では、新しい世代が過去の情報をすべて引き継ぐと仮定していたが、彼らのモデルでは、各世代とも自分が生まれる前の事に関しては「レポート」を通じてしか知ることができないと仮定する。このより現実的な仮定の下では、従来と大幅に異なる結果が得られることが分かってきた。一方、奥野正寛は、戦後日本社会について、価値観・規範が経済とどのように関わり、共進化したかを分析するための理論モデルの作成に着手している。 第二に貨幣については、神谷和也がサーチモデルを用いて研究している。すでに神谷は貨幣を含むサーチモデルにおいて、いかなるパラメータの値についても、一物二価の均衡が存在することを証明した。またこの均衡における厚生は、一物一価の場合の厚生よりも高くなる可能性があることを示した。清水崇と松井彰彦はサーチモデルに「場としての市場」(market place)という概念を導入することによって貨幣経済の基礎的モデルを提示し、そこにおける市場制度の本質的機能を明らかにした。 第三に組織・規制については、神谷和也が、ある種の非線形価格を用いた公益事業規制を行えば収穫逓増、公共財、結合生産などを含む一般的な生産可能性集合の場合でも、派レート効率的な資源配分を達成できることを示した。岡崎は、戦前日本において持株会社がコーポレート・ガバナンスに関して果たしていた役割について実証研究を行っている。
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