研究概要 |
(1)教育と企業内訓練 フィリピン・タイにおける企業内訓練の経済効果の実証研究を行い、その成果の一部をディスカッションペーパーにまとめた。また、この研究の報告コンファレンスを、14年12月に東京で開催し、共同研究者4名、指定討論者4名他の参加を得て、研究成果の吟味と今後の展望を行った。更に、15年1-3月にかけて日本企業の従業員訓練に関する調査を実施した。これには、大阪大学大竹文雄教授、明治学院大学黒澤昌子教授の参加を得て、3名の共同作業と、一部企業の協力を得て、質問票を完成させた。アンケートは約8000の事業所に配布され、約500の有効回答を得た。この結果を用い、15年度以降、日本企業における教育と訓練の実証研究に利用する予定である。 (2)所得リスクに関する社会保障・家族保障の対応、少子化の進展と政策的対応 これまでの研究成果の部として、社会保障負担の制度設計を検討した「社会保障負担のあり方」をホームページ上に掲載した(岩本)他、昨年度より継続して岩本と大日が運営委員となり,医療の実証分析と制度設計に関するコンファレンス(医療経済学研究会議)を12月13日に京都で開催した。5本の研究論文が報告され,参加者は39名であった。また、昨年度より継続して岩本と研究協力者である赤井が運営委員となり,林班での戦後財政政策の評価と望ましい制度の設計に関する研究活動を関西圏の研究者と連携して進展させるための研究会(関西公共経済学研究会)を開催した。 橘木は、わが国の家計所得の不平等度の計測のために、その要因分解の理論・実証の作業に従事し、更に、近年の失業率の上昇に対する政策的対応について分析した。 (3)その他 本研究の一環として、マクロ実証研究を中心とした若手研究者の養成のため、例年とおりCIRJE/TCERマクロコンファレンスを、14年9月京都で開催し、また、全米経済研究所(NBER)に2名の研究者を派遣した。
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