研究概要 |
教育と訓練の経済効果では、この研究期間全体の成果を論文にまとめ、発表する段階に入った。まず、論文(1)を教育と訓練に関する国際コンファレンスで発表し、またその日本語版「有賀健『企業内訓練と人的資源管理策決定要因とその効果の実証分析』(黒澤昌子・大竹文雄と共著)」を、領域全体の研究成果を書物として公刊するための第一回ブックコンファレンスで発表した。また、論文(2)を、コロンビア大学、コルゲート大学、ジョージワシントン大学で発表した。またその内容を、領域全体の研究成果を報告する日本学術会議主催のシンポジウムで講演として発表した。更に、この間の成果のまとめと、研究の将来展望のために、京都大学において、教育と訓練に関する国際コンファレンスを、京都大学21世紀COEプロジェクト「先端経済分析のインターフェイス拠点の形成」と共催した。 また、社会保障分野では、研究の最後のステージである社会保障システムの制度設計の研究に本格的に着手した。論文(7)では,将来の人口変動のリスクに応じた社会保障費用の動向とそれに対応する社会保障システムの在り方についての研究をおこなった。論文(5)では,医療制度改革の制度設計の方向性を,論文(9)では公的年金の制度設計の方向性を示した。また、社会保障と日本の所得分配に関して、数量分析を行い、いくつかの書籍、論文を出版した。そこでは、特に企業年金の運用方式の違い、日本の社会保障制度の特色、不平等化する日本、若者のフリーター問題、等に関して、現状分析を行い、政策提言も行なった。
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