家計行動の実証分析に基づいた経済制度の評価

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12124207
• 研究種目: 特定領域研究(B)
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: HORIOKA Charles Yuji 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90173632)
• 研究分担者: 大竹 文雄 大阪大学, 社会経済研究所, 助教授 (50176913) ; 齊藤 誠 大阪大学, 経済学研究所, 助教授 (10273426) ; 小川 一夫 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90160746) ; 大日 康史 大阪大学, 社会経済研究所, 助教授 (60223757)
• キーワード: 労働市場 / 就業行動 / 社会保障制度 / 遺産動機 / 貯蓄行動 / 金融自由化 / 資産選択行動 / 危険許容度

研究概要

3つの研究プロジェクト(労働市場の規制緩和と年齢階層別就業行動、社会保障制度と家計の資産形成・労働供給、金融市場の自由化と家計の危険許容度・リスクシェアリング)がすべて無5事に発足し、それぞれの担当者が関連文献のサーベイと理論モデルの構築を行うと同時に必要なデータを収集し、大規模なデータベースの構築に着手した。1番目のテーマについては、若手の転職行動、企業年金や雇用保険制度の変更の高齢者の労働供給に与える影響、最低賃金制度の若年者およびパートタイム労働者の労働供給に与える影響について分析し、雇用政策の政策評価・政策提言を行った。2つ目のテーマについては、遺産動機と社会保障制度の家計の貯畜行動に与える影響、社会保障制度の家計の労働供給に与える影響、社会保障制度の世代間の所得再分配効果について分析し、社会保障制度の改革に関する政策評価・政策提言を行った。また、2つ目のテーマの一環として、一般世帯1300世帯を対象とした予防行動、特に高齢者に対するインフルエンザの予防接種などに関するアンケート調査を実施し、結果を集計した。さらに、3つ目のテーマについては、金融市場の自由化や金融・証券市場の整備の家計の資産選択行動・危険許容度に与える影響について分析し、金融制度に関する政策評価・政策提言を行った。最後に、2000年9月21日に東京で日本のマクロ経済の実証分析に関するコンファレンスを開催し、これからも同じテーマに関するコンファレンスを毎年、東京と大阪で交互に開催する予定である。

研究成果

• [文献書誌] Horioka,Charles Yuji: "Japan's Public Pension System in the Twenty-First Century"Magnus Blomstrom; Byron Gangnes, and Summer La Croix, eds., Japan's New Economy (Oxford University Press). 99-119 (2001)
• [文献書誌] 斉藤誠: "日本の金融政策"経済研究. (近刊).
• [文献書誌] 斉藤誠,大西雅彦: "日経平均株価の銘柄入れ替えが個別銘柄の流動性に与えた影響"現代ファイナンス. (近刊).
• [文献書誌] 岩本康志,小原美紀,斉藤誠: "世帯構成員の長期療養に起因する経済厚生の損失"季刊社会保障研究. (近刊).
• [文献書誌] 大竹文雄,岡村和明: "少年犯罪と労働市場"日本経済研究. 40. 40-65 (2000)
• [文献書誌] 大竹文雄: "転換期迎える雇用対策"エコ/ミックス. 2. 98-110 (2000)
• [文献書誌] 大竹文雄: "90年代の所得格差"日本労働研究雑誌. 480. 2-11 (2000)
• [文献書誌] 大竹文雄: "特集/IT革命と雇用創出および賃金格差"大阪労働. 200. 1-4 (2000)
• [文献書誌] Ohtake,Fumio: "Special Employment Measures in Japan"Japan Labor Bulletin. 39・12. 6-15 (2000)
• [文献書誌] 大竹文雄: "雇用不安をめぐって"季刊家計経済研究. 48. 13-21 (2000)
• [文献書誌] 大竹文雄: "格差拡大論をめぐって"週刊社会保障. 55. 48-51 (2001)
• [文献書誌] 大竹文雄,山鹿久木: "定期借家権制度が家賃に与える影響"日本経済研究. (近刊).
• [文献書誌] 大竹文雄: "大阪大学新世紀セミナーシリーズ・雇用問題を考える"大阪大学出版会. 86 (2001)