研究概要 |
各研究分担者の研究成果を交付申請書に記載した課題順にまとめる. 1 壁乱流の組織渦と要素渦の発生に関する実験的研究(浅井雅人担当) 壁乱流の低速ストリークを実験的に調べ,ストリークが2つの不安定モードをもつこと,すなわち,ヘアピン状渦に成長する対称モードと蛇行縦渦を生成する反対称モードがあることを明らかした.そして,低速ストリークの挙動をPIVで計測する研究を開始した. 2 壁乱流要素渦成長の非線形過程に関する数値実験(柳瀬眞一郎担当) 要素渦構造を抽出するための数値計算コードの作成し,平板間乱流をスペクトル法で解き,定常解と進行波解を求め,さらに.平板間乱流の渦構造と比較するために,一様シアー下にある回転流体中の秩序構造を数値的に求めた. 3 乱流要素渦と組織渦の要素的操作に関する実験的研究(西岡通男担当) 運動量厚さレイノルズ数約150の境界層に縦渦(循環値/動粘性=70程度)を導入した実験で壁乱流発生の初期過程を明らかにした.超音速混合・燃焼の促進制御の問題では,A)圧縮性縦渦の線形不安定性に着目して縦渦構造を操作する方法,B)縦渦場の混合・燃焼過程に特有のバロクリニックトルクを利用して乱流要素渦を迅速につくる方法,C)縦渦とキャビテイ流の干渉による混合促進などの研究を進め,実験に必要な超音速風洞を設計・製作した.柔毛による渦度操作に関する研究では,柔毛繊維の空力効果を表現するモデルを考案して運動方程式を導出し,柔毛壁層流境界層のTS波について実験や安定性理論による計算を行い,モデルの妥当性を確かめた. 4 乱流要素渦と組織渦の要素的操作に関する実験的解明(村上洋一担当) 柔毛繊維が貼付された円柱周りの流れの数値シミュレーションを行い,時間平均流の特性を調べて柔毛の空力効果を明らかにした.
|