研究課題/領域番号 |
12126203
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
桂 智男 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (40260666)
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研究分担者 |
久保 敦 岡山大学, 固体地球研究センター, 日本学術振興会特別研究員
米田 明 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (10262841)
伊藤 英司 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (00033259)
赤荻 正樹 学習院大学, 理学部, 教授 (30126560)
入舩 徹男 愛媛大学, 理学部, 教授 (80193704)
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キーワード | 焼結ダイヤモンドアンビル / 鉄 / 放射光実験 / かんらん岩 / 海洋地殻 / カルシウムフェライト |
研究概要 |
学習院大学用と、放射光実験用の焼結ダイヤモンドアンビル用超高圧発生装置が納入され、順調に稼動している。そして、以下のような成果か出ている。 1)NaAlSiO4の27GPa、1600Cまでの相関係を調べ、カルシウムフェライト相の安定領域を決定した。さらにNaAlSiO4-MgAl2O4系、KAlSiO4-MgAl2O4系の高圧相関係を調べ、六方晶相(NAL相)が15GPa以上で安定であることを見出した。この六方晶相が少なくとち30GPaまでは安定であることが確認された。カルシウムフェライト相と六方晶相は、下部マントルへ沈み込んだ海洋地殻中のアルカリ元素やアルミニウムのホスト相と考えられる。 2)海洋底地殻物質の相平衡を37GPaまでの圧力で決定した。その結果、沈み込んだ海洋地殻は1500kmまでは周囲マントルより高密度方であるが、それ以上では低密度であることか明らかになった。 3)かんらん岩の溶融関係を33GPaまでの圧力で決定し、マグマオーシャンの結晶分別によるCIコンドライトの分化について検討した。Mg, Si, Al, Fe, Caの主要5元素のバランス計算から、34%のMgペロフスカイトと3%のCaペロフスカイトの分別によって、深さ約1500kmを境に下方の高密度高温のリザーバと上方のペリドタイトマントルが生じるモデルを提案した。 4)44GPa・2100Kまでの温度圧力で、鉄の相転移を観察した。その結果、この温度圧力範囲では、高温低圧側にはγ相が、低温高圧側にはε相が安定に存在していることが明らかになった。即ち、近年報告されている新しい高圧相であるβ相は存在しない。
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