研究課題/領域番号 |
12126204
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
川村 春樹 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00192005)
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研究分担者 |
藤野 清志 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40116968)
小林 本忠 姫路工業大学, 助教授 (90195818)
赤浜 裕一 姫路工業大学, 助手 (90202522)
竹村 謙一 物質材料研究機構, 物質研究所, 主任研究員
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キーワード | 超高圧力 / X線回析 / 状態方程式 / 重水素 / ダイヤモンド / ラマン散乱 |
研究概要 |
1 固体水素及び金属水素化物の相転移の研究 固体水素/重水素は超高圧下で三つの相の存在が分光実験から指摘されている。I相は分子が自由に回転している配向無秩序相であり(hcp構造)、II相を経てIII相で秩序相になるものと考えられている。I-II相転移境界は著しい同位体効果を示し、重水素では低圧側にシフトし、液体ヘリウム温度域では28GPaが相境界となる。今回15Kで57GPaまでのX線回折実験を行い、II相の基本格子がhcpであることをあきらかにすると共に15Kでの状態方程式を決めることができた。体積弾性率は0.386(23)GPaであり、その一次微係数は6.43(10)であった。金属水素化物、ReH_xとMgH_2の高圧下の相転移を調べた。レニウム金属(hcp構造)は高圧下で水素原子をhcp格子の8面体空隙に取り込み、ReH_xとなるが、10万気圧以上の圧力下ではx=0.35と一定となる。そのとき、水素原子は8面体空隙を無秩序に占めるのではなく、レニウム金属層の一層おきに入り込み、anti-CdI_2型構造をとることを明らかにした。 2 メガバール領域での圧力決定法の開発 圧力発生にダイヤモンドアンビルを用いる場合、試料と共に封じ込んだルビーの蛍光線の波長シフト(ルビー蛍光法)から圧力を決定する方法が一般的である。しかし、100万気圧を越える圧力下では蛍光線の強度が著しく減衰するため、金や白金の状態方程式から圧力を決めている。この方法では金属の体積を測定しなければならないが、超高圧下では試料が極微量のため、放射光を利用することなく体積を決定することはできない。実験室でこのような超高圧を簡便に決定する方法が望まれているが、アンビルであるダイヤモンドのラマン線の圧力シフトを利用する方法がその候補となっている。今回、220万気圧までのダイヤモンドアンビルのラマンシフトを測定した。200万気圧で5%以内の誤差で圧力決定が可能であることを明らかにした。
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