研究課題/領域番号 |
12129203
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹添 秀男 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10108194)
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研究分担者 |
高西 陽一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80251619)
三上 幸一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10157448)
石川 謙 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10176159)
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キーワード | 液晶 / フラストレイション / 不斉認識 / バナナ型液晶 / ジキラル化合物 / キュービック相 / ブルー相 |
研究概要 |
次の3つの液晶系について成果が得られた。 (1)バナナ型液晶:強誘電性を示すキラルバナナ型液晶を発見し、その分子配列構造を偏光顕微鏡観察、誘電率測定、SHG測定などから明らかにした。また、この強誘電性キラルバナナ型液晶と反強誘電性アキラルバナナ型液晶の混合系の相図を作製し、分子配列構造に及ぼす末端鎖の効果を考察した。また、もともとキラルで、らせん構造を持つ液晶である、コレステリック液晶、キラルスメクチック液晶をホストにし、アキラルバナナ型分子の添加を行い、興味ある現象を発見した。すなわち、アキラル分子の添加にも係わらず、ホスト液晶のらせんピッチは短くなった。このことはアキラル分子がキラルな場において一方のねじれたコンフォメーションをとり、これがホストのらせんのねじれ力を増加させると考えられる。 (2)ジキラル化合物:ジキラル化合物のS,Rキラル部が共存するときに出現する光学的に等方的な液晶相の構造解析をX線マイクロビームを用いた回折実験から明らかにした。また、この液晶の等方液体相とスメクチックC^*相の間に層構造周期を持つ新規なブルー相を発見した。 (3)V字反転液晶:界面でのスイッチングを調べるために全反射エリプソメトリー測定を行った。この結果、層が界面付近でねじれ、分子のねじれ(ツイスト構造)を解消し、一様に近い配向をとっていることが明らかになった。これが、電場無印加時の黒レベル、高コントラストに寄与していると考察した。また、層圧縮弾性率を測定し、V字反転を示す相では層が柔らかいことを確認した。
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