研究分担者 |
森永 正彦 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50126950)
那須 三郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (00030057)
佐久間 健人 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (50005500)
田中 功 京都大学, 工学研究科, 教授 (70183861)
松原 英一郎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90173864)
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研究概要 |
結晶の表面,界面,格子欠陥などの不連続点には一般に電子が局在し,特異な量子構造を形成する.すでに実用化されている機能材料には,この局在量子構造のもつ特異性を積極的に利用したものがきわめて多い.しかし,これらの物質・材料は,これまで旧来の学問体系のもとで狭隘な経験的情報に基づいて個別に議論されることが多く,分野を越えて共通に議論するための統一的な考え方がなかった.本研究は,電子論に基づいた理論計算と実験による局所構造解析を研究領域を駆動する両輪として,この局在量子構造についての新しい学理を確立させ,明確な指導原理をもとに合理的な根拠に基づいた新しい材料機能創出を目指すものである. 本領域は以下の5つの計画研究と総括班から構成される. A01)局在量子構造探求のための研究基盤の体系化(京都大学教授・足立裕彦) A02)セラミックス粒界の局在量子構造(東京大学教授・佐久間健人) A03)量子プローブによる原子空孔の局在構造の解明(大阪大学教授・那須三郎) A04)軽元素修飾による局在量子構造の材料設計(名古屋大学教授・森永正彦) A05)回折および分光手法による酸化物表面での局在量子構造解析 (東北大学教授・松原英一郎) 以上は全てきわめて順調に進捗している.とくに本領域の特徴は,電子論に基づいた理論計算と実験による定量的な解析が密接に連携していることにある.平成14年度は,平成13年度に引き続き,ZnO,MgO,ZrO2,ペロブスカイト系,スピネル系などの酸化物セラミックスに的を絞り,5班がそれぞれの特長を生かした密接な連携研究を行った.本年は,全体会議と総括班会議のほか,3月に公開シンポジウムを国際ワークショップの形で5日間行った.100人を超える参加者を得て,活発な討論が行われた.また若手人材育成のための「若手の会」を企画運営し,国際ワークショップではポスターセッションを若手中心に行い,盛況であった.
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