研究概要 |
本研究班では,局在量子構造の関与する複雑系についてのシミュレーションを行うために,第一原理分子動力学計算と班経験的な原子ポテンシャルを用いた計算を統合し,本年度は特に,高速な擬ポテンシャル計算方法の計算技術を確立させた。 また,理論計算と綿密に連携して,特殊試料の作製とキャラクタリゼーションを行った。 研究は5年計画であり,その第2年度としての成果を以下に箇条書きにする. 1)酸化物中の酸素空孔の形成エネルギーの第一原理法による評価. 2)ZnO/MgO中の溶質元素-空孔相互作用を第一原理計算で予測し,陽電子寿命測定により検証.(阪大グループとの共同研究) 3)ペロブスカイト酸化物中の軽元素修飾についての理論計算.(名大グループとの共同研究) 4)ZnOモデル粒界のモデリングと素機能.(東大グループとの共同研究) 5)ZnO/ZnS表面の局在量子構造.(東北大グループとの共同研究) 6)スピネル型MgCr_2O4中のCr空孔の生成について理論計算(民間企業との共同研究) 7)XANES/ELNES理論計算法を確立.(国際共同研究) 8)新規スピネル窒化物の量子材料設計.(国際共同研究) 9)Fe4+を含むペロブスカイト型酸化物CaFeO3の高酸素圧下(3GPa)での単結晶作製に成功. 10)リチウムマンガンスピネルの化学量論組成の決定と低温構造解析. 11)新規リチウムイオン導電体の探察開始. これらは,すべて,特定領域の研究グループ間での密接な連携のもとに成り立っている.
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