研究概要 |
ZnOを代表とする電子セラミックスや種々の機能性酸化物および金属・合金中の点欠陥特に酸素原子空孔の作る局在量子構造を実験的に直接検証するために、放射線や放射性同位元素を量子プローブとして利用する陽電子寿命測定、ガンマ線摂動角相関法やメスバウアー分光測定を行い、DV-Xα法に基づく局在量子構造の理論計算をも併用して、以下の成果を得ている。 1.陽電子消滅法によるNi過剰NiTiの研究(白井) 2.陽電子寿命法によるアモルファス合金GdFe2中の自由体積の評価(白井) 3.酸化物中への多価元素添加による電荷補償機構の研究(京大グループとの連携研究)(白井) 4.MgOのAl添加による原子空孔形成の研究(京大グループとの連携研究)(白井) 5.LaNi5など水素吸蔵合金に関する陽電子寿命値の理論計算(白井) 6.B2型金属間化合物中の格子欠陥に関する陽電子寿命とその理論計算(白井) 7鉄111Cd同時蒸着法による鉄中111Cd摂動角相関による鉄表面および鉄銀界面局在量子構造の解明(那須) 8.加工によって導入されたNi中点欠陥局在量子構造の解明、点欠陥回復過程での111Cd摂動角相関法による研究(那須) 9.Fe, Co, Ni中の111Cd局在量子構造の解明(那須) 10.ZnO中111Cd摂動角相関法による酸素原子空孔の作る局在量子構造の解明、空気中焼鈍の温度依存性を明らかにした。(那須) 11.非磁性物質CaB6にオンライン同位体分離装置からの140Laをイオン注入し、強磁性が発現することを確認。(大久保) 12.LiNbO3やLiTaO3などの誘電体の相転移を117Cdをプローブとして比較検討し、構造相転移のメカニズムについて新しい知見を得た。(大久保) 13.極低温核整列法により、原子核の磁気能率および遷移金属の超微細磁場を精度よく決定した。(大久保)
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