研究概要 |
Ni中の点欠陥特に原子空孔複合体の局在構造・性質を明らかにする目的で、^<111>Inを量子プローブとしてドープしたNi板を液体窒素温度で強圧延加工して欠陥を導入し、導入された点欠陥の回復過程を^<111>Cd(←^<111>In)時間微分摂動角相関測定から調べた。473K焼鈍後に観測された周波数40.60Mrad/sの成分は^<111>In-V_4欠陥複合体であることが明らかとなった。(那須、森本) Fe蒸着薄膜の界面磁性を調べる目的で超高真空電子ビーム蒸着装置を改造し特別に放射性同位元素^<111>InをFe蒸着膜中にその表面からの距離の関数としてドープすることに成功し、その方法を用いてAg/Fe界面でのFe磁化の増大を始めて観測することに成功した。(那須、森本、大知) ZnO中にドープした^<111>In摂動角相関測定から原子空孔の議論を行った。(那須、森本、大知) 高純度Mg粉末を原料に用いた多価元素添加MgO焼結体について陽電子寿命測定を行い,極微量多価元素添加により電荷補償機構としてMg空孔が形成されることを直接確認した.また,従来不純物の影響で正確な測定が困難であったMgO完全結晶部の陽電子寿命値が初めて測定可能となった.ZnOでは熱処理雰囲気によりZn空孔形成挙動が変化することを確認し熱処理雰囲気により異なる電荷補償機構が働く可能性を見出した. オンライン同位体分離装置で得られる^<89>Sr、^<91>Sr,^<140>LaをFeやNi箔に埋め込み、^3He/^4He希釈冷凍機を用いた極低温核整列/核磁気共鳴法(NMR/ON)により、強磁性体中の不純物が受ける超微細磁場を精度よく測定した。(川瀬、大久保、谷垣、谷口) Fe/Mo人工格子に現れる巨大磁気抵抗(GMR)効果を核的手法により研究するため、^<99>Moを含むFe/Mo人工格子のメスバウアー分光および摂動角相関実験を行い、Fe層内部の磁場分布に関する情報を得た。(川瀬、大久保) グラファイト中に埋め込まれた金属原子の挙動を観測するため、放射性Laイオンを注入し、摂動角相関法を用いて内包された原子の動的または静的状態についての情報を得た。(大久保)
|