研究概要 |
本研究の目的は近接場光加工の大面積化技術の研究を行うこと,特に具体的目標として,光メモリへ応用することである.集積型プローブの並列化を実現することが重要である.加えて媒体用マイクロステージ機構(マイクロメディアスキャナ)を開発することが重要である.本年度はマイクロステージとして,スクラッチドライブアクチュエータのアレイを駆動源とするマイクロステージを設計・製作した.製作には,表面マイクロマシニング技術によりTEOSCVDによりSiO2の犠牲層を堆積し,LPCVDにより構造体のポリシリコンを堆積して製作した.製作したアクチュエータの動作を確認し,微小な物体の搬送を実現した.しかし,安定性や絶縁耐性が十分でなかったので,構造を改善し,試作を繰り返している.また,立体的なプローブシステムの構造に対応した微細加工を実現するため,レジストスプレーによるレジストの塗布方法を提案し,試作に適用している.本年度は凹凸のある面に均一なレジストを塗布するため,膜厚分布の測定を行い,凸部の膜厚もできるだけ均一になる塗布条件を導出した.この条件により,段差部分への配線パターンのリソグラフィ技術,結晶異方性エッチングでできた斜面へのパターン形成技術を確立できた. これらの技術は本研究の目的の集積化において極めて重要な技術である.
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