1)シリコンのナノマシーニングにより3次元構造物を作製した.その固有振動数は100MHzに達した. 2)表面弾性波素子の固有振動数をカンチレバーのそれと一致させ、真空中でカンチレバーの励振を行ったところ、バルクビエゾ素子を用いた場合と比べて、33dB小さい励振信号で同一の振幅を得ることが可能となった.その結果を受け、表面弾性波を発生させるカンチレバーホルダーを実現している. 3)フィールドエミッション式走査型電子顕微鏡の試料台に載る走査型力顕微鏡を実現し、3次元ナノ構造物の静的機械特性の計測を可能とした.現在、カーボンナノチューブの作製と、それをバネ材に用いた振動子を実現する装置を実現した. 4)光励振と電界励振により、100MHz以上での3次元構造物の励振を行うための装置を実現した. 5)表面弾性波素子の表面に生じる楕円振動を用いたリニアアクチュエータの機能を確認し、それを用いてカンチレバーの有効長を連続的に変化させるための予備実験を行った.カンチレバーの支持部の構造の選定と、摺動支持によるロスの低減が今後の課題として把握された. 6)多数の3次元構造物の同時振動計測を念頭に、レーザを固有振動数近傍で変調し、周波数差をCCDなどの2次元受光素子で検出する装置を実現した.カンチレバー一本についてその有効性を確認した. 7)AFMカンチレバーをねじれ方向で自励させ、安定した自励を維持するための高周波信号処理系を実現した.それにより、異なる自己組織化単分子膜の領域がことなる自励振幅を生じさせ、微小領域の異なる特性のマッピングが可能であることを示した.
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