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2003 年度 実績報告書

人工細胞構築のための光学的制御技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 12131206
研究機関名古屋大学

研究代表者

宝谷 紘一  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80025444)

研究分担者 石島 秋彦  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80301216)
キーワードリポソーム / 人工細胞 / 暗視野顕微鏡 / 光ピンセット / ナノメーター計測 / ナノマシン / 細胞骨格 / 1分子操作
研究概要

生細胞は、その機能を遂行するために、多くの状況で膜突起を形成させる。細胞は、細胞骨格を伸張することによって膜突起を形成させているが、その力学的メカニズムを探求するためにリポソームを用いたモデル系を開発した。
リポソーム膜の本質的な特性はわずか5mmの厚さの液晶相であることに由来する。脂質分子の協同作用から生じるメカトロニクス特性を解明することが肝要である。リポソームの形態変化は連続的変化が蓄積して、臨界状態では著しい協同的なトポロジー変化を示すので2次元流体の協同作用を研究する最適の材料である。
当課題で新しく開発したダブルビームのレーザーツイーザーシステムによって、リポソーム内部の張力によってリポソームは、まずレモン型に変型し、次いで管状の突起が楕円球上に非連続的に形成されることが判った。
本年度は、特にこれらの変形過程に必要な力を詳しく測定した。即ち球形からレモン型への変形過程では、長軸の伸張に伴い急激に力は増加し平均15pNの力が要った。
しかし、レモン型端での突起形成と同時に急激にその力は減少し、3pNになった。この力は突起の長さの伸長には依存せず一定であった。驚くべきことに短縮過程でも3pNの大きさは一定に保たれた。そして、突起が短縮して消滅しレモン型に復帰する際に5pNの力が一時的に発生した。これらの結果は、膜の分子構造が管部と球部では異なりその境界を創出したり、消滅させることが膜の小細胞形態形成の主要な要因であることを示している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] F.Nomura他: "Capabilities of liposomes for topological transformation"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 98. 2340-2345 (2001)

  • [文献書誌] F.Nomura他: "Morphological and Topological Transformation of Membrane Vesicles."J.Biol.Phys.. 28. 225-235 (2002)

  • [文献書誌] H.Hotani他: "Morphological and Topological Transformation of Liposomes."New Approaches to Structural Mechanics, Shells and Biological Structures. 435-446 (2002)

  • [文献書誌] Y.Fukata他: "CRMP-2 Binds to Tubulin Heterodimers to Promote Microtubule Assembly"Nature Cell Biol.. 4. 583-591 (2002)

  • [文献書誌] F.Nomura他: "Mechanical Analyses of Morphological and Topological Transformation of Liposomes."Biosystems. 71. 93-100 (2003)

  • [文献書誌] F.Nomura他: "Microscopic observations reveal that fusogenic peptides induce liposome shrinkage prior to membrane fusion"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 101. 3420-3425 (2004)

  • [文献書誌] F.Nomura他: "Dynamic transformation of liposomes revealed by dark-field microscopy"Studies in Surface Science and Catalysis. 132. 495-500 (2001)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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