研究課題/領域番号 |
12131209
|
研究種目 |
特定領域研究(B)
|
研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
伊藤 昌文 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (10232472)
|
研究分担者 |
堀 勝 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80242824)
椎名 達雄 和歌山大学, システム工学部, 助手 (80304187)
|
キーワード | 近接場光 / 光描画 / 超回折像近接場構造 / フォトクロミック / 亜鉛 / インジウム / ナノメートル加工 / プラズマエッチング |
研究概要 |
本研究では、ナノメートルサイズのパターンを高速に加工するために制御性の良いプラズマにより高速にナノ加工するプロセスを確立することと、従来の近接場レジスト露光法において最大の課題である高速性を飛躍的に向上するため時間のかかるサンプルと近接場光との精密距離制御を必要としない制御法の開発を行うことを目的としている。 本年度は、上記目的のために、まず電子エネルギーを制御できるプラズマ源を用いたシリコン酸化膜のエッチング装置の改造を行った。また、紫外落射システムを購入して精密制御を必要としない近接場光による描画装置の構築を行った。この描画装置としては、超解像近接場構造を用いた手法を用いて高速描画を行うことを目指している。この描画法のキーとなる超解像近接場構造内でのフォトクロミック層としては、プロセスの安全性も考慮して亜鉛とインジウムを選定した。実験としてはフォトクロミック層として用いる膜厚約70nmの亜鉛とインジウムに対して、特に450nm以下の波長域での光透過特性の温度依存性とHe-Cdレーザ(波長441.6nm)光照射強度による透過率変化を測定した。その結果、亜鉛は300℃まで加熱すると透過率が20〜30%上がることが分かった。また、レーザ照射実験では1.2mW/mm^2以上のレーザ光を照射することで透過率が約15%上昇することが確認できた。インジウムも温度により透過率の変化することは確認できたが、容易に酸化しやすいため保護膜を施すなどする必要があることが分かった。亜鉛の場合も酸化や膜厚等による影響のためか透過率変化にばらつきがあるため、次年度購入予定の成膜装置を使って膜厚や膜質を制御することでばらつきを抑えることが可能であると考えられる。本年度の目的である装置の構築は達成できた。次年度は本年度構築した装置を用いて上記目的をさらに遂行し、結果を公表していく予定である。
|