1.新しいマイクロアクチュエータの試作と動作の評価 繊毛の製作プロセスを考案し、試作を試みた。材質には非感光性ポリイミドを用いる構造に変更し、プロセスもこれに合わせて変更した。繊毛の製作に成功し、繊毛電極と可動電極を製作した。繊毛電極1枚と可動電極により基本動作の確認を行い、静電引力による吸着とそれに伴う横方向の移動を確認した。 2.光導波路光導波路駆動機構の試作 試作においては、導波路、駆動用配線の製作ステップまでは成功したが、この後の酸素イオンを用いた深いエッチングにより可動部を形成する加工ステップで問題が発生した。可動部形成には構造体材料である光導波路用ポリイミドは深く掘る必要があるため、長時間の酸素イオンエッチングを行ったところポリイミドが黒褐色に変色した。これはイオン衝撃により基板が加熱されポリイミドが変質したためと考えられる。このため加工装置基板ステージの冷却能力改善の改良を行っているところである。 3.マイクロアクチュエータ、光導波路のアレイ化のための加工技術の開発 シリコン基板を垂直に一括でエッチングするための安価なエッチング技術として、光電気化学エッチング装置を開発し、高アスペクト比のポーラスシリコンの形成と選択的なエッチングを確認した。ポーラスシリコンの形成領域を制御できれば、任意形状の高アスペクト比シリコン構造体を一括で製作することができる。 また低温で金属膜(導電膜)を空間選択的に堆積させるレーザCVD技術の検討を行い、原料昇華温度=原料供給量が膜質(導電性、不純物濃度)に大きく影響することを突き止めた。
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