(1)繊毛型静電マイクロアクチュエータの試作と評価 微小な突起で微小量送る繊毛のような駆動機構を持つ大きな力を発生させるために電極面積を大きくした大面積電極型と、静電エネルギーを弾性エネルギーに一度変換してから仕事に変えるエネルギー変換型の静電マイクロアクチュエータのプロセスを考案し試作を行った。 大面積電極型の試作に成功し、アクチュエータとしての動作を確認した。動作特性の評価からまだ理想的な動作を行っていないことが判明したので、設計論の構築と共に再設計を行っている。 エネルギー変換型については製作プロセスの最後まで行い試作品ができたが、電気的なリークのため駆動には至らなかった。具体的なリーク箇所は特定できていないが、上部電極・下部電極の積層部に形成プロセス上に、欠陥が入りやすい工程があるため、プロセスの改良、プロセス条件の修正が必要であることが分かった。 (2)ねじり型光導波路駆動機構の試作 導波路をねじるタイプの光導波路駆動機構の試作を行ったが、使用した導波路材料がプロセス途中で劣化する問題を解決できなかった。不具合が突発的に発生するため、問題を特定できていない。今後、プロセスの詳細な検討と共に導波路材料の変更などが必要であることが分かった。 (3)静電気力による光導波路駆動機構の設計、基礎検討 静電気力を用いたポリマーカンチレバー駆動機構を提案し、基本的なプロセス設計を行った。プロセスに必要な材料特性・プロセス条件などの検討を行い、駆動機構試作に有用なデータが得られた。
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