研究分担者 |
中川 聖一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20115893)
菊池 英明 早稲田大学, 人間科学部, 講師
白井 克彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063702)
匂坂 芳典 早稲田大学, 大学院・国際情報通信研究科, 教授 (70339737)
甲斐 充彦 静岡大学, 工学部, 助教授 (60283496)
|
研究概要 |
対話時韻律制御のモデルによって,自然な対話のリズムを実現するとともに,高度な対話理解を可能にすることを目標とし,以下の検討を行った。 a)対話のリズムと韻律制御:分類決定木の手法を用いて,あいづち・発話交代などのタイミングをモデル化し,プロトタイプシステムとして実装を行った。また,談話構造の明確化,感情伝達,心理状態の表現の3点から韻律の役割を検討した。 b)対話理解応用:連続する2発話間の音響・韻律的な変化を用いて,誤り訂正発話を検出することについて検討した。現状では,30から40%程度の検出ミスと,過剰検出率となっている。また,別途ワードスポッティングによる手法について実装した。今後両者の併用について検討する予定である。 c)対話音声合成応用:文単位で発話された音声における、音韻の時間長変形に起因する自然性の劣化を聴覚的に評価する実験を行った。ある文節に注目すると,文節頭、文節中、文節末の順に音韻長伸縮に対する許容度低下が大きいことがわかった。また,この傾向は文中、文節単独の発話の両方の場合で見られること,呼気段落といった音響的境界よりも文節という言語区分の方が音韻長知覚に影響を与えることも分かった。 d)対話システム:前年度までに作成した,韻律利用対話システムのプロトタイプの高速化について検討した。本システムは,即時配信機能付の黒板システムを高速内部バスとネットワークバスの2層構造で実現するアーキテクチャを設計・実装し,応答速度において多様な要求仕様を持つモジュール群に対応可能なシステムを実現した。 e)対話コーパス:昨年度収集した,分節音・韻律・談話のラベルを持つ対話コーパスに,発話者の心的態度のタグを追加した。
|