研究分担者 |
千葉 滋 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 講師 (80282713)
新城 靖 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (00253948)
板野 肯三 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (20114035)
河野 健二 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90301118)
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研究概要 |
第一に,ユーザの意図をより正確に反映させたセキュリティポリシーを実現するために,対象のプログラムを事前に解析して得られた情報を利用し,従来のシステムよりも細かい単位で,また,プログラム実行途中の様々な箇所で動的にセキュリティポリシーを切り替え可能とした,新しい実行時検査方式を提案した.本提案方式は特定の実行環境に依存せず,さまざまな実行環境上で実現可能なように設計されている. 第二に,モバイルエージェントのプログラムを変換し,メモリ上の仮想ディスクをアクセスするようにする処理系を作成した.これにより強いアクセス制限をかけられた実行環境でも動作するモバイルエージェントのプログラムを簡単に開発できるようになった.この処理系が実現する機能は,当研究で以前より開発を進めているSoftwarePotシステムを再実装したもので,SoftwarePotシステムがシステムコールの実行時捕捉技術に基づいているのに対し,今回の研究は,静的なバイトコード変換技術を利用している.実行時オーバヘッドがより少なく,特別な実行時処理系がいらないという特長を有する. 第三に,クライアント・サーバ型のアプリケーション層プロトコルを対象に,プロトコル処理部を自動的に生成するコード生成器Aprilの開発を行なった.Aprilはアプリケーション層プロトコルの記述に特化した記法を提供しており,1)メッセージ・フォーマットの定義,2)時系列に沿ったメッセージのやり取り,3)システムの状態遷移のみを記述すれば,C言語のコードを自動的に生成する.メッセージの解析や構成に必要な文字列処理はAprilの処理系が行ない,プログラマが記述する必要はない.また,'時系列に沿ったメッセージのやり取りやシステムの状態遷移が明示的に記述されているため,プロトコルの挙動が把握しやすい.
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