研究概要 |
今年度は主として以下の4項目の研究を行った. 1.昨年度提案したJavaバイトコードに対するセキュリティポリシーのロード時強制方式を発展させ,プロトタイプの実装とその性能評価を行った.以前の方式では,Java標準ライブラリを大幅に書き換える必要があったが,新しい方式ではこの点が改善された.性能的にも既存方式と同等かやや優れた値を得ることができた. 2.広域計算環境で安全に利用できるプラットフォーム非依存分散共有メモリSlif-JDSMを開発した.これは,Grid環境において,プラットフォームポータビリティ,高い実行性能,簡便なプログラミングモデル,そして広域環境でのセキュリティを同時に達成するものである.性能評価の結果,既存のポータビリティが低い方式と比較しても遜色のない性能が出ていることが確認できた. 3.Grid環境でRPC(Remote Procedure Call)による計算を行っている時に発生する障害に対し,耐故障性を実現する技術の提案と性能評価を行った.チェックポイントを用いた耐故障性を実現するために,ジョブスケジューリングシステムCondorを用いた.粒度が粗く計算時間も長井問題に対しては,オーバーヘッドが無視できることを示すことができた. 4.昨年度に引き続き,バイトコード命令の操作的な意味記述から安全な処理系を自動生成する研究を行った.今年度は,バイトコード処理系の自動性生成オを行うアルゴリズムとシステムを完成させた.さらに,ネイティブコード生成方式に関する検討を行い,実行効率を改善させる目処がたった.
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