研究概要 |
本プロジェクトの目的は,企業内,生産工場内,そして家庭内でのインターネット利用に関して,安全な運用を実施する枠組をエンタープライズセキュリティとして,本セキュリティを普及するためのシステム基盤ソフトウエアを研究・開発することである. この目的のもと,本プロジェクトでは,認証系4件,暗号系1件,情報家電セキュリティ2件,侵入検知5件,計算機利用者に対するセキュリティ教育1件など,様々なセキュリティ領域における基盤ソフトウエアの研究を邁進している. 本年度の成果の中では、認証系における基盤ソフトウエア研究であるSPKIを用いた匿名アクセス制御システムの設計,および情報弱者のためのグラフィカル認証システムの設計について、特に研究の重点を置いている。また,不正侵入検知に関する研究は,「ネットワーク監視方法,ネットワーク監視システム及びそのプログラムを記録した記録媒体」として特許申請を行うとともに,日本経済新聞上でも報道されている.その他,認証系としてはパスワードの代わりに絵や写真を用いた個人認証や,筆跡照合における筆の傾きを考慮に入れた記証方式なども,特許申請を行い,日本経済新聞上で報道されるなど注目を集めている. さらに,研究代表者はメルボルン,スタンフォード大学,サイモンフレーザー大学などでスマートオフィスプロジェクトにおけるセキュリティの招待講演を計3件を行った他,コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS)2000で実行委員長を勤め,本研究機関から10件以上の論文を発表し,研究の推進と公表とに実績を残している.
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