研究概要 |
本研究では,認証系,GRIDコンピューティングセキュリティ,情報家電セキュリティ,無線LANを対象としたセキュリティ,環境内セキュリティなど,様々なセキュリティ領域における基盤ソフトウエアの研究を行った. 特に,認証系におけるグラフィカルパスワードの実用化では,カメラ付き携帯電話を用いた皮膚画像診断システムにおいて適用され,数千人の化粧品販売員が利用している.さらに本研究成果は,平成15年8月にアカプルコ(メキシコ)で開催された国際人工知能学会において,論文賞を受賞するなど,国際的な高い評価を得ている.本研究に関しては,新聞記事としても掲載されている. また,世界中に広がりつつあるGRIDコンピューティングに対するセキュリティを実現するために.ネットワークレベルとタスクレベルの双方の異常検知を可能にするためのツールおよびグラフィカルユーザインタフェースを設計した.本研究は,ネットワークに接続されている計算機の稼働状況やネットワークの通信状況を監視することにより不正な利用を検出するとともに,その状況を,Java3Dを用いた3次元グラフィックスにより視覚的に表示可能である.本研究はGRIDのセキュリティシステム以外に,GRIDコンピューティングに対するタスクのスケジューリングを行う場合,ネットワークおよび計算機の稼働状況に応じた最適なタスク分散を行うことも可能である.本研究の成果の一部は,平成15年12月に学術総合センター(東京)で開催された本特定領域の公開シンポジウム「社会基盤を守るソフトウエアセキュリティ技術」の研究開発成果デモンストレーション会場にて展示を行った. その他,免疫系に基づく侵入検知システムを拡張した情報機器制御に対するセキュリティの研究に関して,平成15年11月に東京工業大学で開催された国際セキュリティシンポジウムにおいて発表を行っている.
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