研究課題/領域番号 |
12134203
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平野 眞一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30016828)
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研究分担者 |
坂本 渉 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50273264)
余語 利信 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00135310)
林 卓 湘南工科大学, 工学部, 教授 (70023265)
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キーワード | 強誘電体薄膜 / (Sr,Ba)Nb_2O_6 / SrBi_2Ta_2O_9 / Sr_2Nb_2O_7 / Bi_4Ti_3O_<12> / 金属-有機化合物前駆体 / 低温合成プロセス / 配向性・微構造制御 |
研究概要 |
本研究において平成12年度は、タングステンブロンズ型構造を有する強誘電性固溶体である(Sr,Ba)Nb_2O_6系酸化物の高品質薄膜の作製因子を明らかにするために、置換元素を希土類元素系とした化合物を中心にタングステンブロンズ相薄膜を得るための基礎的な検討を行った。ここでは、重要なプロセス因子の一つである溶液中に生成した金属-有機化合物前駆体の安定化配位子に注目し、その役割について明らかにした。さらに、その前駆体に対して熱分解および結晶化過程についても挙動追跡を行い、明らかとした。また、不揮発性メモリーデバイス応用を主眼においた薄膜合成においては、SrBi_2Ta_2O_9、Sr_2Nb_2O_7、Bi_4Ti_3O_<12>系強誘電体薄膜の作製について、SrBi_2Ta_2O_9系では、前駆体溶液中における配位状態の解明および薄膜の微構造と電気的特性との関係を明らかとした。低温作製のための最適加熱処理条件の検討、レーザー照射による低温結晶化、配向性・微構造制御などについて研究を行った結果、エキシマレーザー光照射による前駆体膜の変化の機構を明らかにする必要があることがわかった。また、Sr_2Nb_2O_7系薄膜においては、Nbサイトの一部をTaで置換したSr_2(Nb,Ta)_2O_7薄膜とし、組み合わせる基板の適切な構造を考えあわせることで、これまで困難とされてきた比較的低温での作製の可能性を見出した。しかし電気的特性の評価結果からは、作製した薄膜についてさらなる強誘電特性の向上が必要であることがわかった。Bi_4Ti_3O_<12>薄膜の作製においては金属-有機化合物前駆体の配位子を工夫した低温合成プロセス、結晶相の制御について検討し、希土類元素(La)のドープが結晶相に及ぼす影響について明らかとした。
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