研究課題/領域番号 |
12134207
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
清水 勝 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (30154305)
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研究分担者 |
安達 正利 富山県立大学, 工学部, 教授 (90026287)
藤沢 浩訓 姫路工業大学, 工学部, 助手 (30285340)
丹生 博彦 姫路工業大学, 工学部, 教授 (40047618)
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キーワード | MOCVD法 / Pb(Zr,Ti)O_3 / エピタキシャル成長 / Volmer-Waber成長 / Stranski-Krastanov成長 / 低温成長 / Ir薄膜 / 立体構造PZTキャパシタ |
研究概要 |
当該年度は、Pb(Zr,Ti)O_3(PZT)薄膜の初期成長過程の観察やPZT及びIr薄膜の低温成長、さらには連続MOCVD法によるPZTキャパシタの作製に取り組んだところ、以下の成果が得られた。 1.MOCVD法によりPZT薄膜をPt/SiO_2/Si及びSrRuO_3/SrTiO_3基板に成長させた場合、SPM(走査プローブ顕微鏡)による初期成長過程の観察から、各々Volmer-Waber(V-W)モード及びStranski-Krastanov(S-K)モードで成長する事が分かった。また、SrTiO_3上では、SrO最終端面上でV-Wモード、TiO_2最終端面上ではS-Kモードでの成長が観察された。 2.化学エッチング及び高温アニーリング処理を併用する表面処理技術の確立により、原子レベルでの表面平坦性を有するSrTiO_3単結晶表面を得ることができた。さらに、この平坦なSrTiO_3上に、やはり非常に表面平坦性の優れたSrRuO_3薄膜を成長することができた。 3.上記SrRuO_3/SrTiO_3基板上に、膜厚が30-60nmと非常に薄いにも拘わらず優れた強誘電性を示すPZTエピタキシャル薄膜を得ることに成功した。 4.シードを用いる二段階MOCVD法により、Pt/SiO_2/Si上に395-485℃という低温でPZT薄膜を得ることができた。また、シードの堆積時間がPZTの結晶性や強誘電性に及ぼす効果を調べたところ、シードの堆積時間が短く島状構造の場合、シードを用いない場合に比べPZTの結晶性や強誘電性の改善が見られた。また、シードの堆積時間が長くなるにつれ結晶性や強誘電性の劣化が観察された。 5.新規Ir原料、Ir(EtCp)(cod)、を用い鏡面を有するIr薄膜が250-350℃という低温で得られた。得られたIr膜は、PZTに対し優れた拡散バリヤ効果や良好な段差被覆性を示した。 6.MOCVD法だけで、Ir/PZT/Irキャパシタを作製する事に成功した。また、段差基板上に、良好な強誘電性を示す立体構造PZTキャパシタを作製することに成功した。
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