高輝度電子源アレイと真空マイクロエレクトロニクスへの展開研究の調整

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12135101
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 高井 幹夫 大阪大学, 極限科学研究センター, 教授 (90142306)
• 研究分担者: 安達 洋 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80005446) ; 山本 恵彦 筑波大学, 物理工学系, 教授 (60251039) ; 石川 順三 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026278) ; 三村 秀典 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (90144055)
• キーワード: 電界放出電子源 / 電子源の高輝度化 / 電子源の安定化 / 電子源アレイ / FED / ディスプレイ / 陰極材料 / 真空マイクロエレクトロニクス

研究概要

本研究では、電界放出電子源の低電圧化、高輝度化、安定化と長寿命化、放出電子の低エネルギー分散化、そして素子への展開を、陰極新材料の開発、電子源の構造制御と電子源の高機能化の立場から相互に密接な連携を保って研究するために、その調整を行っている。
平成14年度は、3回の総括班会議と1回の公開シンポジウムを開催し、特定領域研究の各研究計画班の連携と調整を行った。
1.「総括班第1回会議(於 大阪大学)」平成14年5月26日-28日
平成14年度の特定領域を始めるに当たって、高輝度電子源アレイに関する研究の基本方針の確認と特定領域研究を進める各研究班の連携方策に関する打ち合わせを行った。また、民間からの評価委員によるFED等のディスプレイデバイスへの応用の立場から、問題点提示を受けた。これによる基礎研究の研究方向の設定を行った。特に、大面積ディスプレイのための電子源としてのCNTの重要性について、検討した。
2.「総括班第2回会議(於 室蘭工大)」平成14年8月20日-22日
各計画研究班の連携を図るため、これまでの電子源研究成果の発表・検討を行い、個々の研究を有機的に連携するための方針を調整した。
3.「総括班第3回会議(於 大阪大学)」平成15年1月9日-10日
各計画研究班の連携を図るため、これまでの電子源研究成果の発表・検討を行い、個々の研究を有機的に連携するための方針を調整した。
4.「平成14年度公開シンポジウム(於 弘済会館 東京)」平成15年3月4日-5日
計画研究班および民間を含めた研究者による「高輝度電子源アレイと真空マイクロエレクトロニクスへの展開」に関する公開シンポジウムを日本学術振興会第158委員会と共催で開催、これまでの成果の評価と産官学の連携を図り、特定領域研究の内容についての討論を行った。

研究成果

• [文献書誌] A.Sawada: "Emission Site Control in Carbon Nanotube Filed Emitters by Focused Ion and Laser Beam Irradiation"J. Vac. Sci. Technol.. B21. 362-365 (2002)
• [文献書誌] W.Jarupoonphol: "Prototyping of Field Emitter Array Using Focused Ion and Electron Beams"Jpn. J. Appl. Phys.. 41. 4311-4313 (2002)
• [文献書誌] W.Zhao: "Field Emission Characteristics of Screen-Printed Carbon Nanotube After Laser Irradiation"Jpn. J. Appl. Phys.. 41. 4314-4316 (2002)
• [文献書誌] Y.Gotoh: "Ion Beam Assisted Deposition of Tantalum Nitride Thin Films for Vacuum Microelectronics Devices"Surface and Coatings Technology. 158-159C. 728-730 (2002)
• [文献書誌] Y.Gotoh: "Preparation and Evaluation of Transition Metal Nitride and Carbide Thin Films for Field Emission Cathode"IDW'02, FED4-6, December 4-6, 2002, Hiroshima. 1081-1084 (2002)
• [文献書誌] Y.Yamada: "STM/Local Tunneling Barrier Height Studies on the Cs Adsorption on a Pt(111) Surface"Jpn. J. Appl. Phys.. 41. 5003-5007 (2002)
• [文献書誌] T.Kondo: "Dissociative Chemisorption of CH4 on a Cesiated Pt(111) Surface Studied by Supersonic Molecular Beam Scattering Techniques"J. Chem. Phys.. 116. 7673-7684 (2002)
• [文献書誌] N.Miyamaoto: "Emission Stability of a Field Emitter Array Observed by an Emission Microscope"J. Vac. Sci. Technol.. B21. 436-439 (2003)
• [文献書誌] H.Nakane: "Magnifying Observation of FEAs by Using PEEM Optics"Technical Report of IEICE. 102. 43-46 (2002)
• [文献書誌] T.Matsumoto: "Point X-Ray Source Using Graphite Nanofibers and Its Application to X-Ray Radiography"Appl. Phys. Lett.. 82. 1637-1639 (2003)
• [文献書誌] H.Mimura: "Emission Characteristics of a GaAs Wedge Emitter Monolithically Fabricated with an Air Bridge And a Cantilever Anode"J. Vac. Sci. Technol.. B21. 471-473 (2003)