研究課題/領域番号 |
12135202
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三村 秀典 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (90144055)
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研究分担者 |
嶋脇 秀隆 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (80241587)
江上 典文 日本放送協会, 放送技術研究所, 主任研究員
横尾 邦義 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60005428)
佐藤 信之 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (10178759)
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キーワード | 機能性電子源 / 低エネルギー分散化 / Siエミッタ / GaAsエミッタ / カーボンナノチューブ / 変調電子ビーム / 光照射効果 |
研究概要 |
1.電子源の高機能化 (1)Siティップ上へ一本のカーボンナノチューブ(CNT)を成長させることに成功した。Siティップ上の一本のCNTからの電子放射特性より、SiからCNTの電子注入は容易であること、またCNTの小さな先端径と高いアスペクト比が先端への電界集中を高めていることが分った。 (2)GaAsガン効果ダイオード用の基板を用い、この基板を電子サイクロトロン共鳴ドライエッチングとウエットエッチングを組み合わせて加工し、アスペクト比が10以上の1ティップのGaAsエミッタを製作した。このGaAsエミッタの電子放射特性は、ガン効果によるものと考えられる電流の飽和を示した。このことより、製作したGaAsエミッタが変調電子ビーム(電子のパルス列)を放射している間接証拠を得た。 (3)光照射による変調電子ビーム発生の基礎実験として、p型Siエミッタにパルス光を照射し、その電子放射特性を測定した。その結果、p型Siエミッタにパルス光を照射することにより、変調電子ビームを発生できること、ただし超高周波数の変調電子ビームを発生するためには、np接合型エミッタを製作し、空乏層内で光励起キャリアを発生させる必要があることがわかった。 2.低エネルギ分散化 (1)1ティップSi電界放射陰極のエネルギー分布を測定し、Si電界放射陰極から放射される電子は、エミッタの法線方向に対して完全には垂直でない可能性を見出した。また、室蘭工業大学との共同研究であるSi電界放射陰極の放射電子像の電界放射顕微鏡観察の結果からもSi電界放射陰極から放射される電子は、エミッタの法線方向に対して完全には垂直でない可能性が示唆された。これは、Si電界放射陰極からの放射電子は、電界が最も集中する頂点よりも、結晶方位と吸着物質により電子が放射し易い場所をもっている可能性が高いことを示している。
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