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2003 年度 実績報告書

細胞分化による心不全の遺伝子治療

研究課題

研究課題/領域番号 12136201
研究機関千葉大学

研究代表者

小室 一成  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30260483)

研究分担者 永井 敏雄  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00334194)
キーワード心筋分化 / P19CL6 / Midori / CSX / GATA4 / MEF2 / Cal / LIMタンパク
研究概要

マウスの多能性胚細胞腫であるP19細胞より単離されたP19CL6細胞は、DMSO存在下での培養でほとんどの細胞が自発的に拍動する心筋細胞に分化し、心筋特異的遺伝子の発現を認める。心筋分化の早期に発現する新規の遺伝子を同定するために、DMSO処理前と分化6日目とでDifferential displayを行い、分化6日目のみで発現の見られる遺伝子を選択した。その結果、新規の遺伝子を単離しMidoriと名付けた。マウス胎仔で発現を調べると、MLC2vと同様、胎生7.5日からcardiac crescentに一致して発現が見られ、その後も胎生10.5日までは心臓原基に限局して発現し、骨格筋原基(体節)には発現していなかった。MidoriはP19CL6細胞の心筋への分化過程において、CSX、GATA4、MEF2Cなどの転写因子よりも早期に核内に限局して発現し、Midori自身の転写活性を高めることから転写制御因子として働いているものと考えられた。
一方、CSXとの相互作用を介して協調的にCSXによる標的遺伝子の転写を活性化する新規のLIMタンパクCalを同定した。Calには核外移行シグナル(nuclear export signal:NES)が存在し、通常はNESにより細胞質に局在していたが、細胞内カルシウム濃度を上昇させるような刺激により核内へとその局在を変えた。NESを欠損し核内に局在するCal変異体(Cal-ΔNES)は野生型のCalよりも、CSXによるANP遣伝子プロモーター活性化作用が強く、さらにCal-ΔNESを恒常的に発現するP19CL6細胞は通常のP19CL6細胞よりも高率に心筋細胞に分化し、ANPなどの標的遺伝子の発現も亢進していた。したがって、Calは細胞内局在を変化させ、核内ではCSXと結合してCSXの転写活性を制御することで心筋細胞分化を調節していると考えられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Iijima: "Beating is necessary for transdiffentiation of skeletal muscle-derived cells into cardiomyocytes."FASEBJ. 17. 1361-1363 (2003)

  • [文献書誌] Akazawa: "Roles of cardiac transcription factors in cardiac hypertrophy."Circulation Research. 92. 1079-1088 (2003)

  • [文献書誌] Funabashi: "Images in cardiovascular medicine. Myocardial fibrosis in fabry disease demonstrated by multislice computed tomography : comparison with biopsy findings."Circulation. 107. 2519-2520 (2003)

  • [文献書誌] Zou Y: "Leukemia Inhibitory Factor Enhances Survival of Cardiomyocytes and Induces Regeneration of Myocardium After Myocardial Infarction."Cirulation. 108. 748-753 (2003)

  • [文献書誌] Minamino T: "Ras induces vascular smooth muscle cell senescence and inflammation in Human atherosclerosis."Circulation. 108. 2264-2269 (2003)

  • [文献書誌] Zou Y: "Heat shock transcription factor 1 protects cardiomyocytes from ischemia/reperfusion injury."Circulation. 108. 3024-3030 (2003)

  • [文献書誌] 小室一成: "心不全のNew Concept"分子生物学、分子工学から考えた病態生理. 155 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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