研究概要 |
1) シグナルの解析・制御ツールとしての変異体G蛋白質のデザインと解析:我々はG蛋白質の活性化モデル(Nature,394:35-38,1998)に基づき、レセプター、βγサブユニットを標的とするドミナントネガティブ変異体を作成した。今回新たに以下のデザインを進めている。 (1)各Gα(特にG13/G12)で対応するドミナントネガティブ変異体をデザインした。 (2)ドミナントポジティブ変異体Gα-各Gα(特にG13/G12)の活性型変異体をデザイン・作製した。遺伝子導入により、各G蛋白質のシグナルと心肥大・心不全シグナルとの関係を検討する予定である。 2) 心肥大に関連するG蛋白質レセプターシグナルの解析と制御 (1)β-ARの脱感作抑制:β-AR等のレセプターの脱感作機構へのGRKの役割を検討するため、まずGt、GRK変異体遺伝子を作製した。遺伝子導入すると、βγ依存性のシグナル(現在MAPキナーゼで検討中)が抑制された。 (2)AT-R・ET-R-Gα(G13/G12)系の抑制:(a)レセプターとG蛋白質との共役の特異性を検討する目的で、簡便な再構成系を作製した。これを用いてAT2-RがGiに共役すること、種々のドラッグの特異性を明かにした。Gi、G13、G12、Gs、βγの精製を終え、AT1-R、AT2-R、ET-RとG13/12を中心とするG蛋白質との共役の検討を開始した。(b)Gqシグナルの抑制を目的として、Gq特異的なRGSを見出した。 3) 心肥大・心不全モデル系への遺伝子導入: 次年度以降の準備。培養細胞に体するDEAE-アデノウイルス法による簡便な遺伝子導入の作動を確認した。
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