研究概要 |
1)シグナルの解析・制御ツールとしての変異体G蛋白質のデザインと解析: G蛋白質の活性化モデル(Nature, 394:35-38, 1998, PNAS, 98:6150-6155, 2001)に基づき、レセプター・G蛋白質共役を標的とする変異体を作成した。 (1)ドミナントネガティブ変異Gα:新しいG蛋白質病で発見したαs-AVDT変異体(自身潜在的にドミナントネガティブに作用することを発見)を応用し、プロトタイプのドミナントネガティブGαを改良し、細胞に発現してシグナルの70%抑制に成功した。 (2)Δ4Gα変異体:受容体による活性化を模倣するGα変異体を利用し、この活性化を抑制するβγ変異体を作成した。 2)心肥大に関連するG蛋白質レセブターシグナルの解析と制御 (1)Gs共役受容体シグナルの脱感作抑制:(1-1)βγ依存性のGRK活性化の抑制を作製したドミナントネガティブ変異体を用い確認した。(1-2)新たに、細胞特異的な脂質修飾の制御によるG蛋白質レベルでの脱感作機構を明らかにした。 (2)Gαドミナントネガティブ変異体によるシグナルの抑制:(2-1)レセプター・G蛋白質との共役を検討するための再構成系を確立した。(2-2)デザインした変異Gα、GRK変異体による抑制を検討した。 3)心肥大・心不全モデル系への遺伝子導入: (1)簡便なアデノウイルスを用いた遺伝子導入系を確立、心筋細胞に応用した。 (2)心筋細胞に分化するモデル培養細胞系への遺伝子導入の応用を確立した。
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