研究課題/領域番号 |
12136204
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
瀧原 圭子 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70252640)
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研究分担者 |
廣田 久雄 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30273684)
国定 慶太 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80294057)
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キーワード | 心筋細胞 / サイトカイン / 心不全 / アポトーシス / 情報伝達 / 疾患モデル動物 |
研究概要 |
不全病態におけるgp130の役割を明らかにするために、gp130を介する情報伝達系の中で中心的役割を果たしていると考えられるJAK/STAT系に注目し、心臓においてこの系が高発現または発現抑制、あるいは持続活性を示すマウスを作製した。つまり、wild-type STAT3、dominant negative-type STAT3、constitutively activated STAT3(caSTAT3)のそれぞれを、α-myosin heavy chain geneプロモーターに連結し、トランスジェニックマウスを作製した。caSTAT3はwild-type STAT3の661アラニンと663アスパラギンをシステインに変換し、705チロシンのリン酸化なしに二量体を形成し転写活性を示すことが報告されているコンストラクトを、site-directed mutagenesisにより作製した。心毒性があり高率に薬剤性心不全を発症することが知られているアドリアマイシンを用いて、gp130の活性化が抗アポトーシス作用を示し心筋細胞保護作用を示すことをin vitroにおいて、またin vivoにおいてはwild-type STAT3トランスジェニックマウスに投与した場合に、コントロールマウスと比べ心不全の発症が軽減され有意に高い生存率を示すことを明らかにした。さらには、ラット心筋梗塞モデルを作製し、虚血周辺領域の強いSTAT3のリン酸化を確認し、このSTAT3の活性化が抗アポトーシス作用を示すことを明らかにした。現在これらのトランスジェニックマウスを用いて心筋梗塞を作製し、心不全発症および梗塞後リモデリングへのgp130関連サイトカイン、JAK/STAT系の関与を検討している。
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